「男性型脱毛症」治療に使用されるミノキシジルとフィナステリド


写真はイメージです。 photo by Terry Minton

「リアップ」にも使用されているミノキシジル

たかが髪、されど髪。男性型脱毛症は多くの男性を悩ませる生理現象ですが、育毛剤でも使用されているミノキシジルはご存じでしょうか?大正製薬が1999年に発売した発毛剤「リアップ」にもミノキシジルは含まれています。

2010年に発表された日本皮膚科学会ガイドラインでも、ミノキシジルの有効性は認められ、推奨されています。ミノキシジルを2%、または3%配合した薬を用いた試験では1年以上の使用で発毛を促し、さらに5%配合した薬の使用でより有効であることがわかっています。

「リアップ」は1%のミノキシジルであるため、効果が緩やかでなかなか実感できなかった人もいたかもしれません。2009年にミノキシジルを5%配合した「リアップ×5」が発売されたため、ガイドライン推奨の使用量に近づいたことになります。

このミノキシジルは元々血管拡張剤として開発され、経口の高血圧の治療に用いられていました。副作用から発毛が発見され、発毛剤として使用されるようになりましたが、服用では副作用が現れたため外用薬として販売されるようになったいきさつがあります。


citation by 「男性型脱毛症診療ガイドライン(2010年版)」 

副作用に勃起機能不全や肝機能障害も

また、服用の発毛剤には、フィナステリドがありますが、こちらも元々は前立腺肥大症や前立腺がんの治療薬として開発された抗アンドロゲン薬です。

発毛ではなく脱毛抑制効果が認められ、男性型脱毛症の治療薬として2005年に日本でも発売されていますが、フィナステリドを使用している間のみ効果があるため、半永久的に使用を続ける必要があることや処方箋が必要であるなど患者の負担も少なくありません。また、副作用として勃起機能不全の他、重篤な場合は肝機能障害を起こすこともあります。

ガイドラインには、男性のみ有効で女性の使用には向かないと記されています。妊婦や授乳中の女性には禁忌とされ、更年期以降の女性を対象とした試験でも効果は認められませんでした。

ミノキシジルとフィナステリドはどちらも長期の使用が必要でまた併用も可能ですが、正しい知識がないまま脱毛症対策として使用するのは危険だということを多くの人が知ることが望まれます。

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