子供たちが夢中になっている姿、楽しみながらも本気で取り組んでいる様子には、活力と共に笑顔があります。周りで見ているこちらも、思わず笑顔になりエネルギーを感じてしまいますね。
真剣に遊ぶ、本気で楽しむ、このような場所や機会は健常者はもとより、難病の子供たちにこそ必要です。「シリアスファン・チルドレンズ・ネットワーク」は、難病の子供たちとその家族へ「生活の質の向上」を理想に創設されました。
創設者は往年のハリウッド俳優・ポール・ニューマン
シリアスファン・チルドレンズ・ネットワーク（以下シリアスファンと略）の前身、「ザ・ホールインザウォールギャング・キャンプ」は、1888年に故ポール・ニューマン氏により設立されます。
「スティング」や「ハスラー2」など数々の名作に出演し、ピクサー配給の映画「カーズ」でメインキャストの声を担当したことで、記憶されている方も多いでしょう。
医療支援体制を十分に整えた、小児ガンなどの難病と闘う子供たちとその家族のためのキャンプ場を米国コネチカット州に設立。この運動は、シリアスファンと名称を変えたあとも世界中に広がりを見せ、アメリカ・ヨーロッパ・アフリカ・アジアなど公認16カ所を含めた30以上のキャンプ場で展開しています。
可能性は無限！冒険に満ちたキャンププログラム
シリアスファンの使命は、「子供たちと家族が難病を克服し、喜びや自信、新しい可能性を発見する機会を無償で提供する」です。
写真はイメージです。 photo by WIKIMEDIACOMMONS
喜びや新しい可能性の発見、このためキャンププログラムは冒険に満ちています。ハイロープコースやスイミング、カヌーにフィッシング、キャンプファイヤーのほか、適応スキーやスノーボーディングなどエキサイティングなプログラムが包括的な支援体制のもとおこなわれています。
キャンプにおける体験や成功は、自信と笑顔を取り戻し自分の可能性を再確認することでしょう。
また、プログラムには両親や兄弟など家族も参加します。一緒に釣りを楽しむ、キャンプファイヤーを見ながら歌うという思い出の空間、時間も共有できます。
無償で提供されるネットワーク活動
非営利組織「シリアスファン・チルドレンズ・ネットワーク」の利用はすべて無料です。
30を超えるシリアスファンのキャンプ場とプログラムは年間75,000人、設立当初からの累計では50万人以上の子供たちと家族に、真剣に遊ぶ、本気で楽しむ機会を提供してきました。
世界的に広がるネットワークを支える人達、フィールドガイドや医療関係者を含むすべてのスタッフがボランティアです。また、活動資金もシリアスファンの理念に共感、賛同した企業や個人などの民間基金によるものです。
日本にある公認キャンプ場
日本にもシリアスファン公認キャンプ場があることをご存知でしょうか。
北海道滝川市にある「そらぷちキッズキャンプ」です。約20万人におよぶ小児ガンや心臓病とたたかう子供たちのために設立されました。病気と闘う子供たちに夢のキャンプを作ろうを理念とし、配慮がなされたキャンプ施設と自然体験プログラム、医療設備を完備したキャンプエリアを設けます。こうした活動はシリアスファンに認められ、プロビジョナルメンバー（準会員）として加盟、第16番目の公認キャンプ場となります。
写真はイメージです。 photo by WIKIMEDIACOMMONS
国際的なコミュニティであるシリアスファンですが、日本において認知度はそれほど高くはないようです。夢中になって体験し、笑顔や可能性を取り戻す、このようなプログラムは高く注目されるべきであり、多方面への広がりが望まれます。
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