インフルエンザに伴う異常行動は治療薬が原因? インフルエンザ治療薬について

毎年様々な型のインフルエンザが流行していますが、過去にインフルエンザに罹患したことがあるという方も多いのではないでしょうか。


インフルエンザウィルス photo by wikipedia

一般的にインフルエンザに罹患すると、症状を緩和させるための対症療法と、インフルエンザの原因となるインフルエンザウイルスに対する抗インフルエンザ薬を使用する方法があります。

ですが、この抗インフルエンザウイルス薬に関しては、異常行動との関連性が指摘されており、11月28日づけでイギリスの医療雑誌BMJでも日本のインフルエンザ治療に伴う異常行動の記事の掲載がありました。そのため、一時薬の使用が中止された時期がありました。この異常行動は果たしてこの抗インフルエンザウイルス薬によるものなのでしょうか。

 

〇抗インフルエンザウイルス薬とは

この抗インフルエンザウイルス薬の代表的なものは、オセルタミビル酸塩とよばれるもので、タミフル🄬というお薬が一般的に幅広く知られています。このタミフル🄬はインフルエンザのA型とB型の両方に有効で、症状が出始めてから48時間以内に内服すると効果があります。

過去にタミフル🄬の使用が中止された時期には、この代わりに吸入薬のザナミビル水和物(リレンザ🄬)や、同じく吸入薬のラニナミビルオクタン酸エステル水和物(イナビル🄬)などが使用されることが多く見られ、現在でも幅広く使用されています。


タミフル photo by wikipedia

〇異常行動との関連性

過去にはタミフル🄬を服用後に家の窓やビルの屋上から飛び降りるという「異常行動」がみられたことで、一時タミフル🄬の使用が中止されました。ですが厚生労働省の調査の結果、タミフル🄬の内服と異常行動の間には明確な関係がみられないという報告がされています。

実際にインフルエンザに罹患した患者の中で、タミフル🄬を内服していなくても異常行動が現れた人もいるのです。そのため、この異常行動とタミフル🄬の因果関係を証明することが困難であり、この異常行動はインフルエンザウイルスそのものによっておこるという意見や、インフルエンザの合併症である高熱や脳炎・脳症などによっておこるという意見もあります。

 

〇インフルエンザにかかったら

インフルエンザに罹患したら、患者を1人にしないことが大切です。

異常行動は未成年者を中心に突然起きているとされ、昨シーズン(2016年度)の報告では、抗インフルエンザウイルス薬の内服後、異常行動がみられた例が54件報告されており、うち2件は転落死しています。しかし、これまでの報告では抗インフルエンザウイルス薬を内服していない場合でも異常行動を起こしたという例もあります。


写真はイメージです。 photo by illust AC

インフルエンザによる異常行動は、海外でも非常に注目されています。そのためインフルエンザに罹患した家族がいる場合は抗インフルエンザウイルス薬内服の有無にかかわらず窓を施錠すること、一戸建ての家では1階を使用すること、そして患者は目の届くところで看病することが大切です。しっかりと対応することで事故は未然に防ぎましょう。

 

 

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