更年期障害って言われたけど・・・その体調不良は「夫源病」かもしれません・・・夫が原因で体調が悪くなる!?

40歳過ぎたころから女性を悩ますのが更年期障害ですよね。20歳代から30歳代でも若年性更年期障害がみられることも指摘されています。

更年期障害の原因は、おもに女性ホルモンの乱れでいろいろな不快な症状が出現します。若年性更年期障害では、生活習慣や環境要因の乱れが関連しているといわれています。

そのからだの不調の原因は、女性ホルモンの乱れや生活習慣などの乱れだけなのでしょうか?

ニュースやネットで、「夫源病(ふげんびょう)」という言葉を耳にしたことはありませんか。

夫源病とは、「夫の言動や行動に対する不満、夫の存在そのものが耐えられない」といったストレスによって更年期障害のような症状がでることをいいます。

大阪樟蔭女子大学の石蔵文信教授(現大阪大学人間科学研究科未来共創センター)が、男性の更年期外来で中高年の夫婦の患者さんを診察する中で気付いて命名したものです。

※「夫源病」は医学用語ではありません。不安症や心身症の一つの要因です。

[夫源病ってどんな病気なの]

最初に、夫源病のセルフチェックからみてみましょう。妻がストレスになりやすい夫の態度や性格をあらわしたものです。普段の夫の行動を振り返ってみてくださいね。

□人前では愛想がいいが、家では不機嫌。

□上から目線で話をする。

□家事に手は出さない(手伝わない)が口は出す。

□妻や子どもを養ってきたという自負が強い 。

□「ありがとう」「ごめんなさい」のセリフはほとんどない 。

□妻の予定や行動をよくチェックする。

□仕事関係以外の交友や趣味が少ない 。

□妻が1人で外出するのを嫌がる 。

□家事の手伝いや子育てを自慢する自称「いい夫」。

□車のハンドルを握ると性格が一変する

※出典:石蔵医師監修 eo健康『体調不良は夫のせい?夫が妻を病気にする「夫源病」

結果はいかがでしたか。4個以下は問題なし、5個~7個は夫源病予備軍、8個以上は夫源病の可能性が高いとされます。

-夫源病の症状は更年期障害と似ています-

症状は、一般的に「不定愁訴」といわれるもので「更年期障害」の症状とよく似ています。

・頭痛、耳鳴り、めまい、のぼせ、多汗、動悸、胃痛、倦怠感、倦怠感などの身体的な症状

・イライラ、不眠、不安感、気分の落ち込みなど精神的な症状

写真はイメージです。photo by pakutaso

これらの症状が必ずしも夫源病ということではありません。病院を受診してほかの病気の可能性がないかどうかの診察を受けてくださいね。

夫源病の場合には、「うつ病、更年期障害、本態性高血圧症、突発性頭痛や突発性難聴、メニエール病」などと診断を下されることが多いといわれています。

通常の治療を受けて、症状が快方へと向かう場合には夫源病の可能性は低いです。症状の改善がみられないときに夫源病を疑ってみるきっかけとなります。

-夫源病の目安となる症状があります-

普段の生活で、次のような症状はないでしょうか。

◇休日など夫が家にいるときに症状が悪化する。平日も夫の帰宅時間が近くなるころから気分が落ち着かない。

◇夫に急に怒鳴られた、口うるさいことなどがきっかけとなって体調がおかしくなる。

◇夫が家にいないときや自分が友人と旅行などして家を空けているときには症状は落ち着く。

端的にまとめてみると、「夫が絡んでいると症状が悪くなる、夫と絡んでいない時に症状が落ち着く」のが大きな特徴です。

-夫源病の大きな原因はコミュニケーション不足です-

夫源病は、コミュニケーション不足と役割分担がうまくいっていないことが大きな原因だといわれています。

写真はイメージです。photo by photo_ac

とくに、コミュニケーションが重要です。コミュニケーションがうまく取れていないと、どの世代でも夫源病に悩まされる可能性があります。

夫は自分の何気ない言葉や行動が、妻にとってはどのような意味を持っているのかはわかっていないと考えましょう。

自分の考え方や思いは口に出さないと伝わりませんよね。そのままにしておいたらずっとわからないままです。

このことは夫にも妻にもいえることです。夫婦はお互いに対等な関係であることも頭に入れておきましょう。

ただし、あきらかなDVやひどいモラルハラスメントがある場合には夫源病以前の問題です。すみやかにしかるべき行政機関や弁護士さんなどに相談してください。

[夫源病を克服するためには]

夫源病を克服するためにどうすればいいのでしょうか。

夫に、夫源病であるということを理解してもらうのが理想ですがストレートには言いづらいですよね。言ったら言ったで「俺のせいかよ!」などなって険悪なことにもなりかねませんよね。

しかし、何もしないと状況は変わりません。言葉や行動でわかってもらいましょう。いっぺんにやろうとせずに、少しずつ変えていきましょうね。

症状が寝込んでしまうほどひどい、つらくて耐えることができない場合には、心療内科や精神科のお医者さんなど専門家に相談する必要があります。

―最初に自分の気持ちを整理しましょう―

もやもやとする気持ちを抱いているだけではどうしたらいいかわかりませんよね。最初に、ノートなどに自分の気持ちを書き出して整理してみましょう。

このことは自分の気持ちに向き合うこと、夫に話すことへの心構えになります。

-ため込まずに、気持ちを伝えてみましょう-

不満をため込んでしまうことはせずに、その場で素直に気持ちを伝えてみましょう。一歩だけ前にでてみませんか。

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夫も反論してくるかもしれませんよね。口げんかになってしまうこともあるでしょう。しかし、口げんかもコミュニケーションの一つです。お互いの考えがわかることになりますよね。

口げんかを恐れて黙り込んでしまうと意思疎通がなくなる一方です。お互いに本音を言い合える関係を築くことがコミュニケーションをとることにつながります。

-夫と距離をとってみましょう-

夫が黙り込んで会話や口げんかにもならない、夫がそばにいるだけで不快とまでなっている場合には深刻な状態かもしれません。一時的に、距離をとってみるのもひとつの手段です。

3日~4日程度、実家に戻る、友人と旅行するなど家を空けてみましょう。

距離を置くことによって、お互いのことを考えるきっかけを作ることになります。妻に対する夫の気持ちにも変化が生じてきます。

距離をとる目的は「夫婦関係の再構築」です。お互いに気持ちの整理をして、少しずつちょうどよい距離感の夫婦関係を目指しましょう。

-頑張りすぎることや期待することはやめましょう-

自分で、あれもしなきゃこれもしなきゃと思わずに、無理せずにできる範囲を見直してみましょう。無理ならば手をぬいてみませんか。夫に頼んでみてもいいでしょう。

また、夫の身の回りのすることはやめていきましょう。自分のことは自分でしてもらうようにスタイルを少しずつ変えていきましょう。

夫が言わなくてもやってくれる、わかってくれるなど期待することはやめましょう。逆に、「こうだろうな」と夫の行動を予測することで自分に余裕が持てるようになっていきます。

これらのことは、お互いが依存しすぎてしまうことがストレスにつながるからです。依存しすぎないような関係を築いていきましょう。

-自分なりのストレス発散方法を見つけましょう-

ストレスは、夫源病にかかわらずにほかの病気の原因にもなります。自分1人でできるストレス解消方法もみつけておきましょう。

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夫源病になりやすい方は、「真面目、几帳面、我慢強い、感情を表に出すのが苦手、人に意見をするのが苦手、波風をたてたくない、他人が気になる」といった性格でストレスをため込みやすい傾向にあります。

一人カラオケで大声で歌う、感情移入できるような小説や音楽などにどっぷりつかる、映画を見に行く、習い事を初めてみる、フラッと散歩に出かける、普段の愚痴を信頼できる人に聞いてもらうなど発散する方法をみつけてみてくださいね。

[夫源病だけではなく、妻源病もあります]

ここまで読んできた方のなかには、「うちは逆だよ」と感じた方もいるかもしれません。「夫源病」ではなく「妻源病」もあります。

妻のちょっとした言葉や行動からストレスがたまって、自律神経の異常から体調不良を引き起こすことがあります。

妻源病の症状がでるようになるのは中高年が多いといわれています。会社を退職して、働いていたときには気にならなかった妻の何気ない一言がこたえるようになって妻源病につながっていきます。

妻源病も、夫婦間でコミュニケーションがうまく取れてないとどの世代でも症状がでてきます。夫源病と同じようにストレスを一人で抱え込まないようにしてくださいね。

[夫婦関係を考え直すきかっけに]

お互いに不満がない夫婦はなかなかいないでしょう。多少なりとも不満を持つことやイラッとすることは誰にでもあることです。なんでもかんでも「夫源病、妻源病」ということではありません。

写真はイメージです。photo by pakutaso

「夫源病、妻源病」ともに夫婦のコミュニケーションが大切です。長く一緒にくらしているとコミュニケーションが自然と減ってきますよね。

「夫源病、妻源病」ともに夫婦関係を考えなおすよい機会だといわれています。

お互いを尊重しあって、自然なコミュニケーションがとれるような関係を築いていけたら素晴らしいですよね。

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