よくわからない医療費はありませんか~特定疾患療養管理料ってなに?~

お医者さんの受診が終わった後に会計がありますよね。会計が終わると領収書と診察費の明細書を受け取っていませんか。

これは2015年の4月からすべての病院と薬局で患者さんに渡すことが義務付けられたものです(一部の例外があります)。

受け取った診察費の明細書に「特定疾患療養管理料」という項目はありませんか(下の写真で囲みの部分)。高いなと感じたことないでしょうか。

診療費明細書 photo by hakucyou

特定疾患療養管理料とは、「厚生労働省の定めた特定疾患について、かかりつけの主治医が治療計画に基づいて療養上必要な服薬、運動、栄養管理、日常生活の注意などの管理や指導を行ったときに生じる医療費」のことをいいます。

よくわかりづらいですよね。特定疾患療養管理料はどのようなものかみていきましょう。

[特定疾患療養管理料ってなに]

 最初に、厚生労働省の定めた特定疾患とはなんでしょうか。

・結核

・悪性新生物

・甲状腺障害

・糖尿病、高脂血症、高血圧性疾患

・虚血性心疾患、不整脈、心不全、脳血管疾患

・慢性気管支炎、慢性閉塞性肺疾患、肺気腫、喘息、気管支拡張症

・胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃炎及び十二指腸炎、

・慢性肝疾患、慢性ウイルス肝炎

・アルコール性慢性膵炎、その他の慢性膵炎

※比較的知られている疾患のみを記載しています。ほかにも特定疾患に指定されている疾患があります。

これらの疾患に共通していることは、治療期間の長い慢性の経過をたどることが多いということです。

慢性の経過をたどるため、長期の診療を受けることが必要とされる疾患だということもできますよね。

慢性の経過をたどる疾患については、おもに以下のような診療が行われます。

・患者さんの様子の視診や問診などを行う。

・定期的に血圧や血液検査などの検査をおこなって病状の経過観察を行う。

・薬を長期にわたって服用するものことが多いので患者さんの様子に応じた薬を処方する。

・食生活や日常生活などのアドバイスを行う。

これらの医療行為を患者さんの「管理」を行うと考えます。この「管理」に対する医療行為の評価として設けられているのが「特定疾患療養管理料」です。

写真はイメージです。 photo by photo-ac

注射、手術、外傷治療などのなんらかの処置が行われる具体的な医療行為などと違って、なにを管理や指導しているのかわかりにくいともいわれています。

見方を変えて考えてみましょう。会社の経営や会社の組織などに対して管理、指導、助言などを行う「経営コンサルティング」という職業がありますよね。

同じように、患者さんの健康のコンサルティングをしてくれているのがお医者さんだと考えるとわかりやすいのではないでしょうか。このコンサルティングが「管理」にあたります。

しかし、なんでもかんでも「特定疾患療養管理料」になるということではありません。もう少し、詳しくみてみましょう。

[特定疾患療養管理料のあれこれ]

○特定疾患が主病名であることが前提です。主病名が特定疾患でない場合には算定できません。

○対象となる疾患は1つだけです。複数の特定疾患があっても対象となるのはどちらか一方の主たる疾病のみです。

○同じ疾患に対して2ヶ所以上の病院で特定疾患療養管理料を同時に算定することはできません。算定できるのはどちらか一方の病院のみです。

○特定疾患療養管理料は病院の規模によって算定される点数が異なります。病床数が200以上の病院は対象外です。診療所(クリニック)の点数がもっとも高く設定されています。

写真はイメージです。 photo by free-materials

○特定疾患療養管理料は月2回に限り算定されます。たとえば、毎週受診している場合には月の最初2回は算定されますが、月の残り2回は算定されません。

○初診日または当該医療機関の退院日から1カ月以上経過していない場合は算定されません。それぞれ初診料もしくは入院基本料に含まれます。

○他院からの検査依頼、電話での再診は算定できません。難病外来指導管理料や心身医学療法などの一部の指導料と同時に算定することもできません。

○特定の疾患で薬の処方される場合、処方される期間が28日未満で「特定疾患処方管理加算」、28日以上で「特定疾患処方管理長期投薬加算」が加算されます。明細書の投薬欄に記載がされます(一番上の写真で「長期投薬加算」が特定疾患処方管理長期投薬加算の相当します)。

[管理されているかわからないと感じるときには]

同じ病気で長期間通院している方も多いでしょう。「管理なんかされていない」、「様子を聞かれておしまいだよ」などと疑問に感じてしまうことはないでしょうか。

写真はイメージです。 photo by pixaboy

こう考えてはどうでしょう。病状に変化あれば病状に応じた対応をしてくれますよね。心配なことがあるときに相談したことはないですか。

なにかあった時に、かかりつけのお医者さんは患者さんの状態を把握しているはずです。その時に患者さんにあった対応をおこなうためのものであると考えるのはどうでしょうか。

また、長い間通院していると慣れがでてきてしますが、様子を聞かれておしまいならば安心なことだとも考えられますよね。

診察室に入るとこんな症状があったということを忘れてしまうことはありませんか。気になる症状があれば、メモを取っておいて受診時に相談するのもいいかもしれません。

ささいな症状でも、病状の悪化の予兆かもしれません。患者さん側から働きかけも大切なことかもしれませんよね。

ただし、主病となる特定疾患に対して必要な管理もしくは治療が行われていない場合には算定できないという決まりがあります。

たとえば、特定疾患について問診さえもされずに薬の処方もない場合に算定されていたら確認した方がいいでしょう。

写真はイメージです。 photo by irasutoya

領収書や明細書に書いてあることってなんのことだかわからないことも多いですよね。

わからないことや疑問なことがあっても、今後もお医者とのお付き合いを考えてしまうと聞きづらいかもしれません。また、クレームを言っていると思われるのも嫌ですよね。

もし、わからないことや疑問なことがある場合には、シンプルに「これってなんですか」と聞いてみるのがいいのではないでしょうか。

 

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