第108回看護師国家試験を解いてみた 問題解説 午前41~45 穿刺と穿刺部位の組合せで適切なのはどれか

続きです。


41 右中葉領域で粗い断続性副雑音(水泡音)が聴取された場合の体位ドレナージの体位を図に示す。適切なのはどれか。









水泡音は、気道内の湿気の中を空気が通過し、水をはじくことによって生じます。肺水腫、細菌性肺炎、びまん性汎細気管支炎、肺炎、慢性気管支炎などのときに聞こえます。体位ドレナージが有用です。

痰の貯留した肺葉を上に体位変換をする体位ドレナージにより、排痰が促され、無気肺の予防、改善と換気量の増加が期待されます。

よって、答えは右肺野を上にした体位である2になります。






42 20℃から24℃で保存するのはどれか。

  1.  全血製剤
  2.  血漿製剤
  3.  赤血球液
  4.  血小板製剤









全血製剤と赤血球液は2~6℃で保存します。

血漿製剤は、‐20℃で保存します。

血小板製剤は、20~24℃、要振とうで保存します。

よって答えは4になります。







43 穿刺と穿刺部位の組合せで適切なのはどれか。

  1.  胸腔穿刺ーーーー胸骨体第2肋間
  2.  腹腔穿刺ーーーー剣状突起と臍窩を結ぶ直線の中間点
  3.  腰椎穿刺ーーーー第1・2腰椎間
  4.  骨髄穿刺ーーーー後腸骨稜









胸腔穿刺は、中腋窩線上の第5肋間または第6肋間が穿刺点となります。

腹腔穿刺は、臍と左上前腸骨棘を結ぶ線の外側1/3、またはその反対側で行います。

腰椎穿刺は、脊髄を傷つけないよう左右の腸骨稜を結ぶヤコビー線を第4腰椎の棘突起の目安として、第4・第5腰椎間に行います。

骨髄穿刺は、腸骨,胸骨(第 2 肋間)、小児では脊椎、骨棘突起、脛骨などで行います。第一選択は、骨折などの合併症が少なく安全性が高い点から上後腸骨稜で行います。

よって答えは4になります。







44 作業と健康障害の組合せで正しいのはどれか。

  1.  VDT作業ーーーーーーーーー栄養機能障害
  2.  有機溶剤を扱う作業ーーーー呼吸機能障害
  3.  電離放射線を扱う作業ーーー造血機能障害
  4.  石綿<アスベスト>を扱う作業ー排尿障害









VDT症候群とは、コンピュータのディスプレイなど表示機器(総称して Visual Display Terminal、VDT と呼ばれる)を使用したVDT作業を長時間続けたことにより、目や体、心に生じる症状のことをいいます。

有機溶剤・特定化学物質は皮膚障害を起こします。皮膚にしみこみ、その部位に皮膚の痛み、紅斑、水疱などを起こすことがあります。眼に入ると、流涙、充血、眼痛などが起こります。

また、有機溶剤・特定化学物質は神経障害を起こします。中枢神経系の症状として頭痛、めまい、記憶力低下、視力低下、失調症状、手指のふるえ、失神、精神神経症状(不安・短気・焦燥感・不眠・無気力など)があります。

電離放射線に被曝すると、まずもっとも低い線量でもみられるのが血液系の障害で、白血球の減少が起こります。皮膚が曝露した場合、紅斑、水疱、潰瘍となり、全身症状としては疲労、頭痛、吐き気などの症状を引き起こします。

石綿(アスベスト)は、その粉じんを吸入することにより、肺がん、中皮腫等の重篤な健康障害を引き起こすおそれがあります。

よって答えは3になります。







45 救急外来を受診した成人患者で、治療の緊急度が最も高いのはどれか。

  1.  2時間ほど前から右上下肢に力が入らず、ろれつが回らない。
  2.  3日前ペットの葬儀が終わり、食欲がなく、夜眠れない。
  3.  プールでの日焼けによって背部全体が発赤している。
  4.  市販の風邪薬を通常の2倍量服用した。









発症4.5時間以内の脳梗塞はt-PA治療の適応になるので治療を急ぎます。

よって答えは1になります。






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