性器クラミジア感染症とは、性感染症の一つで、性交により感染することがわかっています。この感染症ですが、近年若者を中心に感染が多く、性感染症の中では最多ともいわれています。ですが、感染しても無症状なことが多いわりに、実は不妊と深いかかわりがあるというのはご存知でしたか?今回は性器クラミジア感染症と不妊について詳しくご紹介します。
写真はイメージです。 photo by photoAC
〇性器クラミジア感染症とは
性器クラミジア感染症は、「クラミジアトラコマティス」という病原体が性交により感染を引き起こし、潜伏期間はおよそ2週間から3週間とされています。このクラミジアトラコマティスは、子宮頚部の円柱状上皮細胞内に侵入して繁殖しますが、免疫反応が起こりにくいため炎症は軽く、ほとんど症状がでないことが特徴です。そのため、クラミジアに感染しても放置されてしまうことが多く、妊娠を望んだ時の検査などで初めて発覚することも多くみられます。
クラミジアトラコマティス photo by wikipedia
〇性器クラミジア感染症の症状
性器クラミジア感染症は女性に多いとされます。症状はほとんどないことが多いですが、水っぽいおりものが増えたり、軽い下腹部痛や微熱などの症状が出ることがあります。
また感染は子宮頚部から上行し、子宮内膜や卵巣・卵管などの骨盤内に炎症がひろがることもありますが、やはり炎症は軽いことが多いようです。
〇不妊の原因となる理由は?
不妊となる一番の原因は、やはり感染に気が付かず放置されてしまうことがあげられます。症状は軽くても病原体は存在し、炎症は進行していくためだと考えられています。
また長い間放置されることで、病原体は骨盤内に拡大することも大きな原因の1つです。クラミジアに感染すると、「卵管性不妊」とよばれる不妊が多くなります。これは卵管内で炎症が繰り返されることで、卵管内腔が癒着してしまうことによっておこります。これにより卵管狭窄や卵管閉鎖などが起こり、卵子が子宮内にたどり着きにくくなる、あるいは精子が卵管を通れなくなってしまうために受精できず、不妊の原因となります。
内性器の構造 photo by illust AC
また、子宮外妊娠の一つである卵管妊娠も多くなります。これも卵管狭窄などが原因で、受精卵がうまく子宮まで運ばれず、卵管内で着床してしまうことが原因でおこります。
いずれにしてもクラミジアの炎症が卵管まで広がってしまうことが原因とされ、これが不妊につながってしまうのです。
〇性器クラミジア感染症の治療方法
性器クラミジア感染症と診断されたら、抗菌薬の内服が一般的になります。抗菌薬の種類としては、「マクロライド系」「キノロン系」「テトラサイクリン系」の3種類が多く、パートナーと一緒に治療を行うことが原則となります。
治療は一度の内服のみでほぼ完治することが多く、内服をしてから約1か月後にクラミジアの再発検査をし、「陰性」であれば完治したとみなされます。
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〇まとめ
性器クラミジア感染症と不妊は、実はとても深い関係があります。そのため、性感染症にかからないためにも、妊娠を望まない場合はコンドームを着用することを強くお勧めします。また妊娠を望んでいる場合も、お互いが性感染症に感染していないことを確認できるとよいですね。もし性器クラミジア感染症にかかってしまったら、早期発見早期治療が大切です。感染や炎症が拡大して不妊の原因となってしまう前に、早めに対処するようにしましょう。
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