医療事故防止の取り組み ヒューマンエラー、ダブルチェック、スイスチーズモデル


photo by Davidmack

医療行為において、最初から最後までミスがなく医療事故が発生しないことが理想です。しかしながら、各プロセスのなかで多くのスタッフがたずさわる現状では、事故率をゼロにすることは現実問題として難しいでしょう。

人間は常にまちがいをおかすもの”Too err is human.”という前提にたって、取り組める方法としては、医療事故を限りなくゼロに近づけるため、個人と組織が防止策を用いることです。

ここでは、医療事故を防ぐため医療の現場において、常に意識されまた実際におこなわれている方法を見ていきます。

ヒューマンエラー

人の手によっておきてしまう事故、ヒューマンエラーが医療事故の多くを占めています。多くの業務を1人または少人数で対応する場合、同時進行で複数の案件に対応しなければなりません。そのため、疲労による注意力低下や焦りなどにより、ミスが発生します。

このヒューマンエラーを回避するためには、立場をこえたコミュニケーションが大切です。医師と看護師、先輩と後輩などの関係にかかわらず、「おかしい」と感じたことをいい合える職場、組織環境作りを意識し取り組まれています。

ダブルチェック

1人の確認よりも2人による確認の方が、より正確さは増加します。投薬などをおこなう医療行為では、一見アナログとも思われるダブルチェックは欠かせません。

代表的な方法は、2人同時で確認するドリル式と2人が時間差で確認するリチェック式です。2人の目を通すことで、ミスを減らす効果的なダブルチェックですが、注意するポイントも存在します。

「上司や先輩の確認だから大丈夫だろう」などの思い込みや依存は確認の精度が低下し、好ましくありません。2人それぞれの独立したチェックが必要です。

スイスチーズモデル

スライスしたスイスチーズの穴をモデルに事故防止を提唱しています。

事故を完璧に防ぐことができないのならば、チェックする壁を多くして事故の発生を可能な限り減らそうという方法です。ランダムに穴があいているため、少ない枚数(確認)では穴を通り抜けミスに気が付かない、防げないことになります。そこで、枚数(確認事項・回数)を増やし、最終的に全ての穴をふさぐことで、ミスや事故発生を目指す方法です。

医療だけではなく、さまざまな分野で用いられています。

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