写真はイメージです。 photo by new 1lluminati
日本には色覚異常の人が300万人以上いると言われています。
色覚異常には先天性色覚異常と後天性色覚異常があり、先天性色覚異常の場合は現在の医療では治療ができません。
2003年から2016年まで学校での色覚検査が廃止されていたこともあり、自分が色覚異常であることを知らずに成人する人も多くいます。
今回は、色覚異常を体験できたり色覚検査ができるアプリを3つ紹介します。
色のシミュレータ
このアプリは、色覚異常の人の見え方を体験できるアプリです。
アプリを立ち上げると左下にC,P,D,Tの4つのボタンが現れ、それぞれ
- Cは正常の人の見え方
- Pは赤を認識する視神経に異常がある場合の見え方
- Dは緑を認識する視神経に異常がある場合の見え方
- Tは青を認識する視神経に異常がある場合の見え方
を体験することができます。
それぞれの見え方を並べて比較したとき、ピンクのカバンを被写体にした場合ではPは薄い青、Dではグレー、Tではオレンジに見えます。
自分の顔を被写体にした場合では、Pでは青みがかった緑、Dでは黄みがかった緑、Tでは赤みがかったグレーに見えます。
このアプリは実際に色覚異常の人も多く利用しており、「実際の見え方に近い」や「このアプリで他人との会話が楽になった」という声、「息子が色覚異常だが、このアプリで色の判別や服の色について話すことができる」といった感想が上がっています。
私自身、このアプリで自分の知らない見え方を知ることができました。
色覚異常を理解するのに非常に役立つアプリだと思います。
色彩診断
このアプリは四角を並べ替えてグラデーションを作るアプリです。
ステージをクリアしないと次のグラデーションを並べ替えることができないため、ゲーム感覚で行うことができます。
最初は判別が簡単な色が配列されていますが、徐々に色が濃くなり判別が難しくなります。
臨床的色覚検査法にパネルD-15という方法があり、これは16色のパネルをグラデーションさせるよう並べていくものですが、パネルD-15をより身近にしたものがこの色彩診断のアプリと言えるでしょう。
実際の利用者からは「シンプルで分かりやすい」、「簡単に診断できるから楽しい」という声が上がっています。
ステージは全部で100ありますが、筆者は28から先に進むことができませんでした。
少し時間ができたら試すことのできる手軽なアプリです。
Test your eyes -vision examination
このアプリでは、臨床の現場でも用いられる石原式色覚検査、たくさんのパネルの中から一枚だけ違う色を見つける検査、視力検査を行うことができます。
石原式色覚検査は、円形の紙に小さな丸がいくつも描いてあり、その中によく見ると数字や絵が描いてある検査表です。
学校保健法改正に伴い2003年に学校での色覚検査が廃止になるまで、この石原式色覚検査が広く用いられていました。
このアプリではそれぞれ5問程度出題され、簡易的に診断することができます。
2400円の有料版では、よりしっかりとした検査が受けらるようになっています。
海外の配信者が作ったアプリのため全て英語での表記ですが、わかりやすい言葉で書かれているため英語が苦手な人でも問題なく使えます。
筆者は色覚異常と診断されたことはありませんが、石原式色覚検査での見えにくさに驚きました。
見え方に少しでも不安を持っている人はぜひ試してみてください。
アプリで色覚検査をしましょう
先天性色覚異常は、大人になってから急に発症することはほとんどありません。
しかし、緑内障や白内障といった目の病気で後天的に発症することはありえます。
大人になってからは健康診断で希望しない限り、色覚検査は受けることができないため、手軽に診断を行うことができるアプリでぜひ自分の見え方をチェックしてみてください。
また、今回紹介したアプリを通し、色覚異常への理解が深まるきっかけになることを期待しています。
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