「旅行透析」なら旅先で人工透析ができます より快適な透析生活を

腎臓病が進行し、薬剤や食事での治療では進行を食い止めることができないと判断された場合、人工透析が必要となります。

人工透析とは、機器を用いて人工的に体内の老廃物や余分な水分をろ過し、血液を浄化する治療方法です。

治療頻度は週に3回程度、1回につき3~5時間程度の時間を要します。

このため透析患者は、旅行や出張に行く時も透析の予定をしっかりと考えた上でプランを立てなくてはなりません。

そこで、透析が必要でも旅行や出張に行きながら現地で透析ができる方法が各地で実施されています。

旅行先で透析ができる旅行透析


透析している様子 photo by WIKIMEDIACOMMONS

旅行透析とは、旅行先や出張先の病院で人工透析が受けられる透析方法です。

今、各地の病院では透析患者さんの高齢化や患者数減少を見据え、特色ある透析室運営が求められています。

入院透析が多い病院では空きベッドができやすいため、空きベッドの利用も考える必要もあります。

このような病院側の問題点も解決でき、透析患者さんにも旅行や出張の自由を提供できる透析方法が旅行透析と言えます。

旅行透析の患者側のメリット

旅行透析のメリットは患者側にも病院側にもあります。

患者側のメリットとしては、透析の予定を気にすることなく、旅行や出張を行うことができるということです。

透析は週3回程度行う必要があるため、長期の旅行や出張は見合わ
せていた人も多いと思います。


写真はイメージです。 photo by MaxPixel

しかし、滞在先で旅行透析ができるが病院があれば、3日以上の旅行や出張も可能です。

透析が必要になった患者さんには、精神的にも負担がかかってしまいますが、旅行透析を行うことができれば、透析の予定にしばられることなく出かけることができるため、精神的な負担軽減につながると考えられます。

海外でも旅行透析ができる病院があるため、渡航先によっては海外旅行や海外出張も可能と言えるでしょう。

旅行透析の病院側のメリット

旅行透析を行うことで病院側にもメリットがあります。

いままで、治療の対象になりえなかった遠方の患者さんにも、自院の透析医療を提供することができます。

また、遠方地域からの旅行透析患者さんを受け入れることで、地域活性化に貢献し、将来的に定住者増加に貢献できる可能性も考えられます。

空きベッドの有効活用にもなり、病院にも立地地域にも良い影響を与えることができるのが、旅行透析の良いところです。

旅行透析のデメリット

旅行透析のデメリットで、患者側・病院側にも共通して言えることは、観光シーズンのベッド数の予定が立てづらいということです。


写真はイメージです。 photo by Emilian Danaila

いつ頃どのくらいの人が、旅行透析に訪れるのかが常に漠然としているため、病院側はベッド数の確保に悩む可能性が出てきますし、患者側は希望した日に透析できない可能性が出てきます。

また、患者さんが、かかりつけの施設で使用していた薬剤の取り扱いの有無や緊急患者さんの受け入れ態勢など、今後さらに改善する必要のある点もあります。

実際に旅行透析をしてみた人の声

実際に旅行透析を行った人は、「自分は透析患者だから、実際に自分が海外旅行にいけるなんて思ってもいなかった」や「安心して受けることができた」といった声、「また利用したい」という感想を話しています。

実際に、旅行透析患者さんを受け入れているクリニックでは、「旅行透析患者を受け入れることは楽しみのひとつ」「患者さんが、普段通っているクリニックの透析との違いを勉強するいい機会になる」という声も聞かれます。

旅行透析はさまざまなメリットを多く含んでいる透析方法です。

今後理解が深まりよりよく改善されることで、さらなる発展が期待されます。この機会に、透析患者さんはぜひ一度視野に入れてみてもいいかもしれません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました