在宅での自己導尿と留置カテーテルについて知ろう!

腎臓で作られた尿は膀胱にためられ、ある程度の量になると「尿意」を感じ、自分の意志で排尿しますが、神経の障害や前立腺肥大などにより尿道が狭くなると、尿を出すことができなくなる場合があります。

写真はイメージです。 photo by pixabay

膀胱に尿が溜まった残尿という状態になると、細菌が繁殖して膀胱炎などをおこしてしまいます。残尿を防ぐために、膀胱に溜まった尿を出す必要があります。その手段として、「自己導尿」と「留置カテーテル」があり、これらについて説明していきます。

自己導尿とは?


自己導尿とは、清潔な管を使用して、自分で膀胱内に溜まった尿を排出する方法です。在宅など医療関係者がいない場所で、自分や家族のよって自己導尿を行っている人は、全国で約1万7千人程度いると言われています。

医師の指示のもとに、飲水量が決められたり、自己導尿を行う時間や間隔が決められる場合もあります。

自己導尿は清潔な状態で行う必要があるため、医師や看護師からやり方の指導を受ける必要もあります。

留置カテーテルとは?


留置カテーテルとは、尿道から管を通したまま、膀胱内から尿を排出させる方法のことを言います。在宅で留置カテーテルが適応となるのは、自己導尿ができない場合がほとんどです。

尿道留置カテーテル photo by wikipedia

しかし、尿道に管を入れたままにすると、その管に感染するリスクが高まります。そのため、自己導尿が困難である場合に選択されます。

留置カテーテルは感染症を予防するため、医師や看護師により定期的に交換されます。留置カテーテルには尿がたまるバッグを付け、たまった尿は必要に応じて量を測定してから捨てることになります。

自己導尿や留置カテーテルを使用するのはなぜか?


通常は、膀胱内にある程度の尿がたまると、尿意を感じ自分の意志で排出することができます。しかし、膀胱内に溜まった尿を自分の意志で排出できなくなってしまうことがあります。どのようなことが原因となるのか見てみましょう。

脊髄損傷や脳血管疾患により、尿意を感じることができなくなったり、尿意を感じても排尿ができないことがあります。これは尿意を感じたり排尿をコントロールする神経が傷ついてしまうことが原因です。

大腸がんや子宮がんの手術後に、排尿ができなくなってしまうことがあります。手術の時、がんの部分とともに周囲のリンパ節を切除することがあります。これは転移を防ぐために大切な処置なのですが、排尿に関する神経を傷つけてしまうことがあるのです。

前立腺肥大症や前立腺がんによって、前立腺が大きくなると尿道が狭くなり、排尿できなくなってしまうことがあります。

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最後に


神経の損傷や前立腺による尿道の圧迫などにより、自己導尿が必要となる場合があります。さらに自己導尿ができない場合には、尿道内にカテーテルを留置することもあります。

腎臓により尿はたえず作られ、膀胱内に溜まります。たまった尿をそのままにしておくことはできません。感染を予防するためにも尿を排出する必要があるのです。

原因となった病気により違いはありますが、自己導尿や留置カテーテルを使用していても、生活に制限がない場合も多く見られます。医師の指示を守り、排尿をコントロールすることにより、さまざまなことに挑戦することは可能なのです。

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