短期間で問題解決 意外と知らない解決志向型のカウンセリング「ソリューション・フォーカスト・アプローチ」とは

みなさんは「心理カウンセリング(心理面接)」と聞いて、どのような事を思い浮かべますか?話を聞いてもらえる、悩みを解決してくれる、治してもらえる……などたくさんありますね。


写真はイメージです。 photo by pixabay

カウンセリングは、話を聞く(傾聴)が大前提にあり、その上で相談者のこころの支援を話し合っていく場です。ただし、悩みを解決するという目標は同じでも、その解決方法は様々です。そこで、今回は「解決志向型」のカウンセリングについて紹介したいと思います。

「問題志向型」と「解決志向型」

解決志向型のカウンセリングをわかりやすくするために、まず、問題志向型のカウンセリングに触れておくことにします。問題志向型のカウンセリングは、なぜその問題(悩み)が起きるのか、どのように起きるのか、いつ起きるのかなど、問題に焦点を当てて深めるカウンセリングです。一般的に言われるカウンセリングはこちらに当てはまります。

一方、解決志向型のカウンセリングは「どうなったら解決か」に焦点を当てます。解決した状態、つまり、目標を決めた状態から始めるので、比較的短期間で終結します。目標の他に、時間や面接回数(カウンセリング回数)もおおむね決定してから始めることもあり、これを短期療法(ブリーフセラピー)といいます。

では、短期療法には、どのような技法があるのでしょうか。代表的な技法に「ソリューション・フォーカスト・アプローチ」があります。

ソリューション・フォーカスト・アプローチとは

ソリューション・フォーカスト・アプローチは、SFA(Solution Focused Approach)と略され、解決志向型のカウンセリングの代表的な技法です。相談者の問題を傾聴した上で、問題が起こっていない状態やリソースを引き出す質問をしていくのが基本です。

質問には①ミラクル・クエスチョン、②スケーリング・クエスチョン、③コーピング・クエスチョンと呼ばれるものがあり、どれもリソースを引き出す手がかりになります。

①ミラクル・クエスチョンでは、「もし、奇跡が起こって、あなたの悩みが解決したとすれば、明日はどのような一日になりますか?」などと質問し、解決した状態を想像させます。

②スケーリング・クエスチョンは、「最悪が1、最高が10だとしたら、今あなたはどれくらいですか?」などと質問し、数値化させることで、相談者の悩みの程度を具体的にします。例えば「6」と答えたとすれば、「7になると、今と何が違っていますか?」とより解決に近い状態を想像させる質問をします。

③コーピング・クエスチョンは、「そのような悩みを抱えながら、どのようにこれまで過ごされたのですか?どうしてこれまでやってこられたのですか?」と相談者の中にある対処法を引き出します。

このような質問を繰り返しながら、うまくいっている部分はそのままに、引き出した方法を試してみて上手くいった場合には再度実行、うまくいかなかったら次の方法、という風に次々にリソースを引き出し、問題解決している状態を広げていきます。


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短期間で終結する分、相談者の金銭的、時間的負担が軽減される技法なので、スピーディな解決を求める方にはオススメです。

 

 

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