動物も歯周病になるって本当?

歯周病とは、歯垢(プラーク)と呼ばれる細菌の塊によって歯肉が炎症をひき起こし、やがては歯を支えている周りの組織(歯根膜や歯槽骨)が壊されていく病気です。そのまま放置した場合、最後には歯が抜けてしまいます。

そんな歯周病ですが、私たち人間以外で歯を持っている動物たちは歯周病にならないのでしょうか。

答えは、野生動物には基本的にはないと言われていますが、ペットとして飼われている動物の殆どが歯周病にかかっているそうです。

これは、野生動物とペット動物の食の違いが大きいと思われます。

肉など食べ物を加熱すると、食物が柔らかくなりよく噛まなくても飲み込むことができます。しかし、野生の動物は、食事(餌)を加工することなく食べているため、よく噛まなければ飲み込むことができません。これが結果として、歯磨き効果を生んでいるのです。 またよく噛むことで唾液が分泌されますが、唾液には酸性に傾いた酸の中和や、自浄作用によりお口の中を洗い流しキレイに保つ役割があるため、細菌が繁殖しにくい状況を作り出してくれています。そのため野生には、歯周病にかかる動物が殆どいないのです。


写真はイメージです。 photo by MaxPixel

ではペットとして飼われている動物は、なぜ歯周病にかかるのでしょうか。

ペットフードとして売られている餌は、食べやすい大きさにカットされ、柔らかく加工されているものが殆どです。つまり野生動物のような歯磨き効果や、唾液の分泌量の低下により唾液による自浄作用が少ないのです。また人間と同じようなものを食べていたり、飼い主とキスをすることによって菌が移ったりもしています。

 

歯周病は、症状が出た時には中等度~重度へと進んでいることが多い病気の一つです。

軽度であれば、歯石による汚れや口臭、歯茎の炎症程度ですが、酷くなると上の歯の場合は鼻腔の近くなので鼻炎を引き起こしたり、歯の根まで進めば根尖膿瘍になり膿が出てきたりもします。

 

実際に歯周病になってしまったときの症状、予防や治療は人間と似通っています。予防するには、まず硬いものをよく噛みながら食べ、歯垢を歯磨きで除去しプラークコントロールをします。歯周病には今回の話で出てきたように歯磨き以外にも食べ物が大きく絡んでいます。

もしペットを飼っていらっしゃれば、是非この機会に食生活や歯磨き見直して、お口の中も大切にしてあげてください。

歯周病になってしまったら、人間であれば歯科医院、動物であれば動物病院へ行き、歯石をとりお口の中を清潔に保ちましょう。

 

 

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