[ネコにひっかかれました・・・]
ネコやイヌをペットして飼っている方も多いと思います。私たちの家族の一員として癒しを与えてくれますよね。しかし、ペットの動物を通じて私たちが病気を発症してしまうこともあります。
「子供が子猫に腕をひっかかれました。すぐに、消毒しましたが救急病院に行った方が良いですか?」、「野良ネコを触ろうとしたら、ひっかかれました。心配なのですが病院に行くべきですか?」などの話を聞くことはありませんか。
なぜ、心配になってしまうかというと「猫ひっかき病」という言葉を耳にしているからかもしれません。猫ひっかき病とはどのような病気なのでしょうか。
[猫ひっかき病はどんな病気なの]
原因はなに
ネコに「ひっかかれる、かまれる、傷のある部分をなめられる」ことで発症します。原因は「バルトネラ・ヘンゼレ」と呼ばれる細菌をネコが保菌している場合で、ネコノミを媒介してネコからネコへ感染します。
保菌率は7~15%で、ネコがグルーミングすることでネコの歯や爪に付着します。ネコ以外にもイヌからの感染やまれにネコノミが人について感染することもあります。なお、感染したネコやイヌには症状は出ません。
写真はイメージです。 photo by pixabay
発症しやすい時期は
ネコノミの活動が活発になる7月頃から寒くなって室内にいることが長くなる12月にかけて多く発生します。
どんな症状ですか
傷の大小には関係ありません。傷を受けた部分が数日から3週間ほどで赤くはれたようになります。皮膚が盛り上がる丘疹ができて水疱になり、化膿する場合があります。そのあと数日~2週間ほどで傷を受けた部分に近い部分のリンパ節がはれてきます。
リンパ節のはれが大きい場合には、たまごぐらいの大きさになる場合があります。リンパ節がはれると痛み、発熱、悪寒、倦怠感、吐き気などの風邪のような症状を伴います。
治るまで数週間から数ヶ月ほどかかりますが予後は良好です。まれに意識障害やけいれん発作を伴った脳症や視力障害などを起こす場合があります。
治療はどうするの
傷を受けたら水道の水を流しっぱなしにして、よく洗って様子をみます。傷口に変化が現れたり、リンパ節がはれたりした場合には受診しましょう。
治療は軽度の場合には自然治癒を待ちます。症状によっては鎮痛薬や湿布薬の対処療法もしくは抗生物質の投与を行います。
発症しやすい人、重症化しやすい人は
・子供や高齢者などの免疫力が低い人
・がんにかかっている人やHIVウィルスに感染している人などで免疫力が落ちている人
・免疫を抑える薬を投与されている人
猫ひっかき病は、症状が長引く場合が多く、まれに重症化しますので予防が大切になります。
[ペットとのふれあいは]
ネコやイヌを飼っている場合や接する場合には、以下のことに注意しましょう。
・定期的なノミの駆除を実施する。
・爪は短く切ってひっかかれにくくする。
・手荒に扱うなどして興奮させない。
・食べ物を口移しなどで与えるなど濃密な接触をさける。
・知らないネコや野良ネコには触らない。
なお、猫ひっかき病とは異なりますが、弱っている野良猫を保護しようとしてかまれてしまい、ネコに寄生していたマダニが媒介した菌が原因で死亡した例も報告されています。「殺人マダニ」日本全国に死者報告増加の記事を参照してください。
ペットから感染する病気は、猫ひっかき病以外にも「パスツレラ症」、「トキソプラズマ症」、「猫ヒゼンダニ症」などがありますが過度に恐れる必要はありません。
写真はイメージです。 photo by pixabay
心の拠り所となるペットと楽しんで過ごすために、飼っているペットを清潔にしてあげることやペットの健康に気を配ってあげてペットとの生活をエンジョイしてくださいね。
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