歯科医療従事者の資格による違いは? チームで治療をしています

◆はじめに

歯科医院には、「歯科医師」の他にも「歯科衛生士」や「歯科助手」、大きな歯科医院になると専属の「歯科技工士」が働いています。それぞれの資格はどのように取得し、資格によってどんな役割の違いがあるのでしょうか。

歯科医師になるには、歯科大学や大学の歯学部(6年制)を卒業し、歯科医師国家試験を合格しなければいけません。また資格取得し、1年以上の臨床研修を受けることで開業が可能になります。


写真はイメージです。 photo by pixabay

ただ各診療分野の学会による認定医制度もあるため、どの学会に属し「認定医」や「指導医」になっているかで歯科医師の専門・得意分野を知ることができます。仕事は、歯科医療全般、具体的には虫歯や歯周病などの歯や歯茎の疾患・抜歯などの手術・顎関節症等たくさんありますが、患者さんのお口の健康を目的としています。

診療科目として、一般歯科、歯科口腔外科、矯正歯科、小児歯科、審美歯科等分けることができますが、診療科ごとに資格が与えられるわけではないので、どの科を掲げるかは自由となっています。

歯科衛生士になるには、以前は2年制でしたが、現在は3年制以上の専門教育課程を卒業し歯科衛生士国家試験に合格することで取得することができます。仕事は歯科衛生士法に定められている歯科予防処置、歯科診療補助、歯科保健指導からなります。

歯科保健指導:主に歯ブラシ指導ですが、歯科医院のみならず保健センターや学校などの教育機関で行うこともあります。

歯科診療補助:補助内容は多岐に渡り、歯科医師の診療がスムーズになるよう一部の医療行為を行います。

歯科予防処置:フッ化物塗布等の薬物塗布、歯垢(プラーク)や歯石の除去、機械的歯面清掃(汚れ落とし)など歯科疾患を予防する処置のことを言います。

これらの3つを主な業務としており、実際に口腔内で一部医療行為を歯科医師の指導の下でおこなうことができ、歯科医師のサポート役となります。


歯科衛生士 photo by WIKIMEDIACOMMONS

歯科助手は、歯科医師や歯科衛生士のような資格や学歴は必要なく、未経験から始めることができます。 そのため歯科助手の業務は受付・会計・電話業務・滅菌消毒・診療介助(器具のセット・受け渡し・バキューム・ライト)・セメントの練和等になります。

仕事は歯科衛生士同様、歯科医師のサポートですが一番の違いは患者様の口の中に手をいれることができず医療行為を行うことができません。

歯科助手育成の学校や通信講座もありますが、こちらは民間の資格となります。

歯科技工士になるには、2年制以上の専門教育課程を卒業し、歯科技工士国家試験に合格することで取得することができます。仕事は、歯科医師の指示に従って、補綴物(銀歯や差し歯)・入れ歯や・矯正装置・マウスピースなどを作成、修理を行います。模型上で精密なものを作成しなければいけないため、高度な精密技術や審美感覚が必要です。


歯科技工士 photo by  flickr

最後に、歯科医療現場にはそれぞれの資格や知識が必要となっています。それぞれの役割を担い、チームワークがあってこそ歯科医療現場が支えられているのです。

 

 

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