上手に眠れていますか?睡眠導入剤を処方してもらうときのポイント

睡眠導入剤は質の良い眠りを得る手段の一つです

睡眠は人生の約3分の1を占めると言われています。そしてこの人生の多くの時間を占める「睡眠」がヒトの健康を左右するということは容易に想像できます。実際、睡眠の質が悪いとガンなどの病気になる可能性も示唆されています。

では質の良い睡眠をとるにはどうしたら良いのでしょうか?規則正しい生活をする・適度な運動をする・眠気を妨げるカフェインなどを摂取しないようにする・快眠グッズを利用する…等々いろいろな方法がありますが、医師の診察を受けるというのも方法の一つです。眠れない原因が痒みや頻尿などの場合は、原因となる症状を治療することで眠れることができるようになる場合があります。しかしこれといった原因がないにも関わらず眠れない場合には、睡眠導入剤が処方されることがあります。


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自分の不眠のタイプを医師にしっかり伝えましょう

現在処方薬として流通している睡眠導入剤には、寝付きの悪さを改善するものや夜中に目が覚めないようにするものがあります。また最近は、体内時計を司るホルモンの受容体に働きかけるものや覚醒を維持する脳内物質の働きを弱めるものも発売されています。

これらの薬剤を上手に利用すると、質の良い睡眠をとることができます。しかし、不眠のタイプと薬剤の持つ効果が一致していないと、効果がないばかりか副作用が生じる可能性があります。このような不一致を防ぐため、医師に睡眠導入剤を処方してもらうときは自分の不眠のタイプをしっかり伝えましょう。


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まず、寝付きが悪いのかどうか。寝付きが悪いだけならば、効果発現が早く作用時間の短いタイプの薬剤が処方されます。

そして眠っている途中に目が覚めてしまうのか、それとも早朝に目が覚めてしまうのかということも伝えましょう。途中で目が覚めてしまう場合には、比較的作用時間の長いタイプの薬剤が処方されます。早朝に目が覚めてしまう場合も同様の薬が処方されることが多いです。もっとも、早朝に目が覚めてしまう場合は就寝時間が早くて十分に睡眠を取っていることもあるので、自分の就寝時間・睡眠時間の見直しが必要な場合もあります。

ただ、不眠のタイプを伝えて薬剤を処方してもらっても「寝付きは良くなったけれど、寝た次の瞬間に朝になった感じがして熟睡した感じがない」「途中で起きなくなったけれど寝起きが悪くなってしまった」等、睡眠の質の改善がさらに必要な場合もあります。そのような場合は遠慮せず医師に相談しましょう。

睡眠導入剤からの卒業

睡眠導入剤を使い始めると漫然と処方されることも多いのが現状です。しかし質の良い睡眠を継続的に得られるようになれば、薬剤の減量・中止も不可能ではありません。

もっとも、睡眠導入剤でよく眠れるようになった状態で服用を突然中止すると、強い不眠状態が生じます。これは不眠症状の再発ではなく「反跳性不眠」という副作用です。中止を希望する場合は、医師の指導のもと、1~2週間毎にすこしずつ量を減らしていきます。減量中に不眠が再発した場合には治療を再開する場合もありますが、反跳性不眠を起こしにくい薬剤を併用して減量を継続することもできます。


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さいごに

睡眠導入剤の使用についてはその是非が問題となることもまた事実です。もちろん薬剤を使用せずに眠ることが一番良いのは間違いありません。しかし、医師の診察を受け睡眠導入剤を処方してもらうことも選択肢の一つです。その際に自分自身の不眠のタイプを医師に正確に伝えれば、より効果的な薬剤を処方してもらうことができます。上手に眠って、生活の質を向上しましょう。

 

 

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