その緊張は性格ではない?社交不安障害の症状とは

「人前で緊張してしまう」

「遠慮してしまって、意見が言えない」

「頼まれたら断れない」

 

性格的に緊張しやすかったり、場面によって意見が言えない事は、多くの人にあてはまります。あてはまりながらも、自分なりに対策ができていれば良いのですが、中には「どうしても不安や緊張が絶えない」、「変な焦りがある」など生活に支障が出ている人もいます。


写真はイメージです。 photo by flickr

本当に性格の問題でしょうか?

もしかしたら「社交不安障害」の症状かもしれません。

 

社交不安障害の症状

社交不安障害の症状は、不安や緊張を中心に多数あります。

・人目が怖い

・人前で緊張、赤面する

・注意されることが非常に怖く、オドオドしてしまう

・人が大勢いる場所を避ける

・注目されることを避ける

・人混みで動悸がする

・人前で字を書くと震える

など、基本的に「人前で緊張する」ことから派生する症状です。

しかし、これらの過度な緊張は「症状」なのです。症状なので、「治療することができる」のです。では、治療に関わる部分、つまり原因を簡単に説明します。

 

社交不安障害の原因

社交不安障害の原因は、ずばり「脳内」にあります。脳内の神経伝達物質と呼ばれるもののバランスが崩れ、不安や緊張を感じやすくなっていると考えられています。

神経伝達物質には、セロトニンなどがあります。そのため、不足している脳内のセロトニンの量を増やす薬(SSRIと呼ばれます)の服用によって、治療が可能となっています。

 

治療の経過

服薬によって、不安や緊張が和らいだり、よくなったと実感できたりします。和らいだからといってすぐに服薬、通院をやめてしまうのではなく、3ヶ月ほどはしっかりと治療したほうがよいといわれています。

医師や臨床心理士とのカウンセリングを並行することで、より正確に治療の具合を確認することができます。また、治療を続けていくと「今までは人前での発表を避けていたけど、今度は挑戦してみようかな?」と、あえて緊張する行動をしてみようという気持ちになることがあります。

実は、挑戦してみることも治療の一環です。挑戦することで、「今までは過度な緊張だった」と実感できます。どんな結果になろうとも、ひとりで頑張るのではなく、挑戦した事を専門家と話し合う事が大切です。

治療中は、良くなったり悪くなったりするのを繰り返すことがあります。悪くなると落ち込んでしまうのが自然です。しかし、波がありながらも状態は徐々に右肩上がりに良くなっています。一喜一憂するのではなく、全体的な流れとして治療の経過が見られることが理想です。


写真はイメージです。 photo by WIKIMEDIACOMMONS

もしかして社交不安障害?と思ったら

社交不安障害のかたは、日本の調査では、約100万人以上と言われており、決して珍しくはありません。また、「性格だったらどうしよう」と治療をためらう気持ちが、治療を遅らせている事実もあります。

ここまで読んで、少しでも「気になる事があるな」と思ったら、まずはその気持ちに従ってみてください。精神科や心療内科へ向かうその一歩が、あなたの不安や緊張を和らげる道に繋がるかもしれません。

 

 

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