気管支喘息と体型の関係からみえてくる一つの答え

○気管支喘息とは

気管支喘息とは、気管支が慢性の炎症により狭くなったり、過敏な状態になることで、発作性の呼吸困難や咳・痰を生じる病気で、その背景にはなんらかのアレルギーが関与していると考えられています。

治療としては、狭くなった気管支を拡げる薬や、狭くなる原因のもとになる炎症を抑える薬を内服することで治療します。現在の治療では、炎症をおさえる吸入ステロイド薬を中心として治療が行われています。

ところで、喘息には、いくつかの原因が指摘されていますが、そのなかでも、体型に関しては以前から多く報告されています。今回は、そんな気管支喘息と体型に関するお話です。

 
写真はイメージです。 photo by illust AC

○やせ形体型と喘息のかかわり

喘息と体型に関する研究は、古くから広く行われていて、肥満と喘息発症には、大きなかかわりがあるといわれています。いっぽうで、喘息と体型を数値として表す、BMIには、必ずしも比例関係があるわけではなく、そこには、U字型のグラフが示されています(下記)。

 


photo by BMJ

横軸には、体型を示すBMI(体重を身長の2乗で割った値)をとり、縦軸に、研究グループの中で過去1年間に気管支喘息を発症した割合を示しています。

この図をみてわかることは、喘息の発症はBMIの上昇(肥満)だけではなく、BMIの低下(やせ)にも関係があるのではないかということです。

この研究は、オーストラリアでおこなわれた研究ですが、同様の喘息とBMIの「U字型」の関連は、日本でも同様に示されいます。

 

○やせ型のひとに気管支喘息が多い理由は?

「やせ型」と「気管支喘息」にかかわりがあると指摘されていますが、原因ははたして一体なんなのでしょう。

現時点では、はっきりとした原因はわかっていません。

ただ、ボディーイメージのゆがみを原因とする摂食障害によって引き起こされる「やせ型」のひとと、「気管支喘息」にはかかわりがないとの報告があります。

一括りにされている「やせ型」の患者さんのなかにも、さまざまな背景が隠されているため、簡単には原因はみえてこないのかもしれません。

 

○気管支喘息と体型の関係からみえてくる一つの答え


写真はイメージです。 photo by photo AC

ここまで、みてきた中で「気管支喘息」にならないための答えはみえてきませんでした。

いっぽうで、「体型」と「気管支喘息」に関するグラフをみてみると、適切といわれている体重にコントロールすることで、気管支喘息の発症を抑える可能性があるのではないかと考えられます。

なかなか抑えの効かない気管支喘息を抱えている人は、自分の体型に眼を向けてみるのも一つの手かもしれませんね。

 

 

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