臓器移植法施行から20周年 臓器移植への関心が未来へのカギ

臓器移植は、病気や事故によって臓器が機能しなくなった際に、ほかの健康なひとから臓器を移植して機能を回復させる治療法です。

今日まで世界各国で、おおくの移植治療がおこなわれています。日本では、1964年に生体腎移植・肝移植がおこなわれたのが始まりです。以後、拒絶反応やIPS細胞の研究などさまざまな移植の手段・形が研究されています。


写真はイメージです。 photo by photo AC

日本の移植治療は一度中断していた

1968年に札幌医科大学で日本で初めて心臓移植がおこなわれいます。この時期におこなわれた手術の環境・手術の適応・脳死の判定などにさまざまな批判があがり、この事件をきっかけに日本の移植医療は一度中断しています。

移植医療への不信感をぬぐうために、国で何度も審議をかさねて、1997年に「臓器の移植に関する法律(臓器移植法)」が成立し、1999年に法施行後、初めて臓器移植が行われています。

日本の移植治療は世界的にみて少ない

2015年までに、359人の方が脳死後に臓器を提供し、計1572件の臓器移植が行われています。日本の臓器移植の件数は、世界にくらべてまだまだ少ないのが現状で、IRODaTによると100万人あたりの臓器提供者数は、アメリカの26.0人に対して、日本では0.7人と極めて少なくなっています。

2010年には、臓器移植法が改正され、①本人の意思が不明な場合も、家族の承諾があれば臓器提供が可能になった(15歳未満からの臓器提供も含む)②条件付きで、親族に優先的に提供する意思表示ができるようになった、2011年4月に日本で初めて15歳未満の臓器提供、5月に親族優先提供、2012年6月に6歳未満の臓器提供が実施されています。

1970~80年代に手塚治虫によって書かれたブラックジャックでは、小児を含めた移植治療がたびたびおこなわれていますが、現実の世界では数10年の月日を必要としています。

臓器移植の情報収集・意思表示のしかた


写真はイメージです。 photo by silhouette ac

臓器移植に関する基本的な情報は、日本臓器移植ネットワーク(Japan Organ Transplantation Network)で手に入れることができます。ここでは、臓器移植・臓器提供に関する情報、都道府県の活動情報を手に入れることができます。

臓器移植の意思表示は、「提供する」場合は、15歳以上であれば、誰でもできます。「提供しない」場合は、年齢を問わずだれでもできます。「提供しない」を選んでいる場合には、家族が臓器の提供を希望しても提供されることはありません。

実際に、臓器移植の意思表示の方法ですが、健康保険証、運転免許証、マイナンバーカードに記入することができます。

臓器提供について一人ひとりが関心を高め、考え、意思をもって選択することが、移植でしか助かることの出きない限りのある命の救いとなり、また移植医療の発展へとつながります。

 

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました