味噌汁は血圧にどのような影響を与えるのか

日本人の食文化にとけこみ、毎日の食事に欠かせなくなっている味噌汁ですが、昔から医療関係者のあいだでは、味噌汁が、日本人の高血圧に影響をあたえているのではないかといわれていました。

では、実際に本当に味噌汁は血圧をあげているのでしょうか。

まず、味噌汁の塩分ですが、味噌汁1杯には、約1~2gの塩分が含まれているといわれていますが、これは、他の食事にくらべて多く含まれているとはいえません。

味噌はどうなのでしょうか。

味噌にはじつは、複数の降圧物質が存在すると考えられていて、これは血圧を上昇する作用のあるACEを阻害するはたらきがあるといわれています。また、このACEの阻害作用を高めた味噌も開発されています。

実際に、この味噌の降圧作用をしらべるために、高血圧モデルマウスに投与したところ、投与2~3週目から普通の味噌よりも血圧が低くなったことが指摘されました。


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人間の研究でもACEの阻害作用を高めた味噌では、8週目から収縮期血圧の低下傾向を認め、一般の味噌でも12週目の拡張期血圧の有意な低下を認めました。ただ、脈拍数には影響を与えませんでした。

大規模な調査から塩分を3.8g摂取すると血圧が約6mmHg上昇することが知られています。いっぽうで、今回の報告からも味噌には血圧を下げる効果が示唆されていて、日本人が他国に比べて長寿であることを考慮すると日本の伝統的な食事である味噌汁は、塩辛すぎないかぎりは、身体によい面があるのではないかと推測されます。

味噌汁の取りすぎはよくないですが、1日1~2杯の摂取はバランスの良い食事という観点からは良いのではないかと考えられます。

海外でも和食を取り上げる際に、取り上げられることの多い味噌ですが、今後さらに味噌の身体への影響が解明されてくるのではないでしょうか。

 

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