「ハグすること」にはすばらしい隠された効果が ハグの効果の秘密ってなに

 

「ハグ」についてどう思いますか?

外国ではハグは慣習化されています。あいさつ代わり、親愛の気持ちを表す、喜びを表現する、悲しみをいやすなど日常の中に溶け込んでいます。

日本にはハグという慣習はありません。日本が育んできた文化の中ではなかなか受け入れがたいことかもしれません。

たとえば、日本独特のものとして「お辞儀」というものがあります。このお辞儀をするという行為は日本人らしさをあらわしていますよね。

慣習ではないといっても、好きな人や自分のこどもとハグをしたことはありませんか。ハグをした時もしくはされた時になんともいえないような感じを味わったことはないでしょうか。

「しあわせな感じ、安心感、いとしさ、落ち着く」といったような感じはありませんでしたか。

欧米などの研究ではハグについて、わたしたちのからだにさまざまな良い効果があることが報告されています。

―ハグをすると脳内では―

ハグをすることで、脳内のメカニズムが働き神経伝達物質やホルモンなどが放出され、副交感神経が刺激されて心身ともにリラックスした状態になります。どのようなものが放出されるかみてみましょう。

写真はイメージです。photo by pixaboy

βエンドルフィン

脳内麻薬とも呼ばれる神経伝達物質で鎮静効果や鎮痛効果があります。気分が高揚する、幸福感が得られる、安心感を引き起こすという作用もあります。免疫力を上げることも知られています。

オキシトシン

愛情ホルモンいわれています。幸せな気分になる、「不安、恐怖心、ストレス」の軽減、相手に対する信頼関係の気持ちが増す、新陳代謝を活発にする、血圧の上昇が抑えるなどの効果が知られています。

食欲を抑制する効果や不安なときに放出されるストレスホルモン「コルチゾール」を抑制することも知られています。

βエンドルフィンやオキシトシン以外にも、睡眠や生体リズムに関連していて精神安定作用がある「セロトニン」、心地よい感情や意欲を向上させることなどに関与する「ドーパミン」も分泌されることが知られています。

―ハグにはいろいろな効果があります―

わたしたちのからだにプラスになるようなものが放出されますよね。ハグをすることで具体的にどのような効果があるのでしょうか。

写真はイメージです。photo by pakutaso

◇幸せな気分になれる◇

ハグをすることでオキシトシンやβエンドルフィンが分泌されることで幸せな気持ちになりやすくなります。パートナーとのハグは、相手への信頼感や親愛感情が増すことにもつながります。

母親の場合には、子どもを抱くことでもオキシトシンの分泌が促されることが報告されています。

◇ストレスが緩和される◇

ハグをすることでβエンドルフィンが放出されてストレスが軽減されます。30秒のハグで1日のストレスのうちの約1/3が解消されるともいわれています。

物理的なストレスを受けた女性がパートナーとハグすることでストレスに関連する脳活動が低下することなど報告されています。

◇不安を和らげる◇

親しい人物とのハグは、オキシトシンの作用で不安と孤独感を緩和することが報告されています。不安な気持ちに襲われたり、なんとなく落ち着かない気分になったときに、ハグをするだけで気分が落ち着いてきます。

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◇不眠の解消になる◇

ハグをすることでオキシトシンの効果で幸福感や安心感を得ることができ、不安な気持ちも和らげることから不眠を解消する効果があります。

子どもやパートナーと寝る前のハグをすると効果が期待できます。一緒に触れ合いながれ眠りにつくのも効果的です。

◇高血圧や心臓病のリスクを下げる◇

パートナーと毎日ハグする女性とそうではない女性を調査したところ、毎日ハグする女性は血圧が下がり、心臓病のリスクも軽減されると報告されています。

ハグをすることで血圧が下がり心拍数の遅くなることから、高血圧や心臓病のリスクを下げる効果が期待されます。

◇からだの抵抗力がアップする◇

ハグをすると、副交感神経が刺激されることでドーパミンやセロトニンが増えて免疫力アップにつながります。

アメリカの研究では、日常的にハグをする相手に恵まれている人は病気にかかる可能性が低く、仮にかかってしまっても回復の早いことが報告されています。

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◇痛みを和らげる◇

ハグはβエンドルフィンの効果で痛みを和らげる効果があることも知られています。モルヒネの約6.5倍の鎮痛効果も持っているといわれます。スキンシップ(スキンタッチ)でも同様の効果がみられます。

全身の骨格筋に激しい痛みやこわばりが生じる「線維筋痛症」の患者さんに、スキンシップなどをおこなって痛みが軽減されたという報告などいくつか研究結果から確認されています。

◇ダイエットに効果がある◇

日本の研究でオキシトシンに食欲を抑制する作用があることわかっています。オキシトシンが摂食を抑制して肥満や過食に対して効果的であるといわれています。

◇コミュニケーションを助ける◇

言葉を介してとられるコミュニケーションよりも、親しい仲であればハグによって相手へ信頼感を伝える、自分一人でないと感じる、幸せや元気を分かち合えるという効果があります。

◇乳幼児の成長の手助けをする◇

乳幼児とのスキンシップは、子どもに安心感を抱かせます。子供の呼吸を落ち着かせる、痛みの緩和する、脳の成長するのを助ける、病気へのリスクも少なくなる、問題行動が減ることが報告されています。また、学習能力が上がることも報告されています。

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これら以外にもアンチエイジング効果、美肌効果などがあるといわれています。さまざまなプラスの効果がありますね。しかし、ハグについては注意することがあります。

―ハグはストレスになることがあります―

◇ストレスになるハグ◇

たとえば、きらいな人とハグすることできますか。欧米の報告でもストレスになることが報告されています。ストレスを感じるとβエンドルフィンやオキシトシンは放出されずに交感神経が優位になります。

相手が嫌がっているのにハグするのも相手にストレスを与えるだけです。嫌いな人にハグされたい人はいません。ハラスメント行為にもなりかねません。ハグの慣習のあるアメリカでもしばしば問題になることがあります。

◇ペットとのハグ◇

ペットとのハグも注意する必要があります。ペットと信頼関係が築けていない場合や執拗なハグは、ハグするあなたは良い感情を頂くかもしれませんがペットがストレスを感じます。

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ペットとのハグは、信頼関係が築けていて椅子などに座ってからだ全体を包むようにハグしてあげてくださいね。

アメリカの研究では、犬の80%以上がハグにストレスを感じているという報告もあります。犬はハグされても、人がハグして得られるものとイコールではありません。

―ハグをするときには相手のことやTPOを考えて―

ハグするという慣習は日本にはありません。保守的であるという人やハグは日本でも広がっているという人もいます。

しかし、年齢にかかわらずにハグについて否定的である方が多いのも事実です。ハグの慣習のある国でもハグをすべての人がするというわけではありません。

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SNSなどの書込みをみてみると、

「誰とでもハグできます」、「同性ならできます」、「うれしいなどのきかっけのあるハグならば」、「ハグの慣習のある国の人となら」、「親族や親しい友人なら」、「夫の子どもだけなら」、「好きと思う人なら」、「ハグをされるのは嫌いです」、「人にさわられることに嫌悪感が」、「ハグという言葉自体が嫌いです」、「相手の臭いが不快です」

などさまざまな考え方もあることも知っておく必要があるでしょう。

ハグが健康にいいからといっても、誰とでもハグというわけにはいきませんよね。恋人、夫婦、親子もしくは心から信頼で来る友人ならばハグはしやすいでしょう。生活の中で自然にできるハグが一番いいですよね。

ハグをする場合には相手の事やTPOを考えてくださいね。ただし、乳幼児期のお子さんがいる場合にはなるべくハグをしてあげてくだい。

―ハグする相手がいない、ハグがどうしても無理なら―

ハグしたいけど相手がいないという人は、抱き枕やぬいぐるみでも同じような効果があるとことがわかっています。

自分がいとおしいと思うものを抱きしめることでβエンドルフィンやオキシトシンは分泌されます。

ハグはどうしても無理だという人は、ハグと同じような効果がある方法があります。それは「なんでもいいので好きなことに夢中になる」ということです。

好きな趣味、好きなアイドルなど夢中になれるものならなんでもかまいません。気の合う友人と夢中になっておしゃべりすることでもいいといわれています。

夢中になることでも。ドーパミンやオキシトシンが分泌されて「幸福感に満たされる、集中力や記憶力が高まる、アンチエイジング効果がある、免疫力や生命力アップする」ということがわかっています。

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どのような形にしても無理のない方法でおこなってみるのがいいでしょう。無理をしてやろうとするとストレスにつながります。ご自身もしくは相手がホッとすると感じる方法を見つけてくださいね。

 

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