注目されている医療用大麻の「ティルレイ社」 ティルレイ社と医療用大麻とは

10月17日にカナダで娯楽用大麻が全面解禁というニュースが世界中を駆け巡り、ニュースなどで見た方も多いのではないでしょうか。

国レベルの解禁はウルグアイについで2ヶ国目です。カナダでは1ヶ月の購入できる数量が決まっていて、未成年の販売は禁止されています。

カナダの毎年開催されている マリファナ(大麻 )デー photo by wikimedia

娯楽用大麻は、アメリカでは国としては禁止されていますが一部の州で合法化されています。おおやけには解禁はしていませんが事実上一部認めている国もいくつかあります。

カナダでは、娯楽用大麻を解禁する以前から医療用大麻は認められていました。カナダの医療用大麻というとカナダの「ティルレイ社」が有名です。

「ティルレイ社」が注目浴びたのは、2018年7月にナスダックに医療用大麻の企業にとしてはじめてアメリカで資金調達が認められて新規株式公開を行ったことです。「ティルレイ社」とはどのような会社なのでしょうか。

※アメリカで資金調達するメリットは、米国証券取引委員会の厳しい審査を受ける必要があることから、上場を認められたことで信頼性が高まります。ほかにも医療用大麻関連株はありますが、株取引がスムーズに行えるのはティルレイ社だけです。

現在、ティルレイ社は医療用大麻を認めている10ヶ国において医療用大麻を販売しています。インターナショナルな展開しているティルレイ社はどのような会社なのでしょうか。

[医療用大麻のティルレイ社とは]

ティルレイ社は2016年設立、アメリカのデラウエア州で登記されている会社です。本社はカナダのブリティッシュ・コロンビア州のナナイモにあります。

カナダ ナナイモ photo by wikimedia

現在、オフィスはナナイモ以外にシアトル、トロント、ベルリン、シドニーにあります。栽培施設はブリティッシュ・コロンビア、オンタリオ、ポルトガルで操業しています。

ティルレイ社は、カナダ保健省からいち早く医療用大麻の製造と販売を許可され、成長が続く医療用大麻市場において安定したポジションを維持しているといわれています。

北アメリカにある会社の中で、初めて南アフリカ、オーストラリア、ヨーロッパへの輸出を許可され、ポルトガルでは栽培製造販売の許可もされています。

カナダ、アルゼンチン、オーストラリア、チリ、クロアチア、キプロス、チェコ、ニュージーランド、南アフリカ、ドイツなどへ医療大麻の供給をおこなっています。

このように、ティルレイ社はいち早く医療用大麻市場の参入を成功させた会社だといえるでしょう。

ティルレイ社の資産状況、売上、株価の推移について

◇資産総額

2018年の3月末時点で、資産総額は1.06億ドル(約39%が現金と短期投資、約50%が工場や製造機器)。負債総額は6400万ドル(約50%が株主から借り入れ)。

銀行などから長期借り入れはないとしています。今回、新規株式公開して調達した中から3700万ドルを返済の準備金に充てる予定とのことです。

◇売上状況

売上は2016年に1260万ドルから2017年には約62%アップの2050万ドル、売上総利益は2016年に260万ドルから2017年には1130万ドルで約326%アップ、純利益は2016年、2017年ともに約780万ドルの赤字になっています。赤字の原因は新規開拓マーケット開発のためのセールス費用や人件費になっています。

◇株価

新規株式公開時に、1株17ドルで9,000,000株を売り出し約$1.53億ドルを調達しています。株価公開直後から医療用大麻の実績やカナダでの娯楽用大麻公開への期待から順調に上昇していきました。

ドイツへの輸出が承認されたニュースがでたころに200ドル以上までに急騰、その後、反発して100ドル程度まで下落。オーストラリアとの取引などで、急騰した時とまでいきませんが約160ドルまで盛り返しました。

その後は安定気味に150ドル前後を推移していましたが、10月20日過ぎから徐々に下落傾向で10月25日時点の株価は109.29ドル、時価総額約1兆ドルとなっています。10月20日過ぎから多くの大麻関連企業について下落傾向になっています。

※当記事は10月25日時点におけるティルレイ社についての紹介記事です。会社の将来性や株価などについて保証するものではありません。

ティルレイ社は医療用大麻を主力事業として手掛けていますが、娯楽用大麻においてリーディングカンパニーになることも目指しています。いくつかのブランドも立ち上げています。

大麻市場については、国連の試算では世界の大麻市場は16.7兆円(非合法も含め)、使用者数は1億8千万人になると予想しています。

大麻草 photo by pixaboy

大麻市場は伸びを見せるとともに競争の激化などが予想されています。ティルレイ社がどのように乗り切っていくかが課題になってくるといわれています。

今後は、大麻のブランド化やほかの飲食業界との連携などマーケティングが進んでいくといわれています。飲料についてはいくつかの飲料メーカーが興味を示しているといわれています。

ティルレイ社が大麻ビジネスを大きく展開していることからも、今後も、医療用大麻を中心に市場が活発に動いていくと考えられています。娯楽用大麻については、ウルグアイやカナダに続く国が出てくるかは不透明です。

WHOは2018年に、「娯楽用大麻について、常習性ある薬物は何であれ健康にはよくない。WHOが合法化に踏み切った国に続くよう各国を奨励することはない」との見解を出しています。

ティルレイ社が展開している医療用大麻とはどのようなものなのでしょうか。日本でも、数年前に医療用大麻に関連して元女優の方が話題になりましよね。

[医療用大麻ってなに]

-薬として大麻が持ち入れたのははるか古来からです-

大麻ってテレビなどでよく聞きますよね。大麻(cannabis:カンビナス)はマリファナのことです。大麻は、「乾燥、樹脂、液体化」したものを娯楽のための嗜好品や医療大麻として医薬品として用いられます。

大麻が薬として用いられるのは、大麻に含まれる61種類のカンナビノイド(CB)といわれる大麻特有の成分にさまざまな薬理作用があるからです。

※カンビノイドには、大麻から採取される天然カンビノイドと人工的に作った合成カンビノイドあります。本来は医療用として用いられるべきものですが、ニュースで話題になる危険ドラッグ(脱法ハーブ)は合成カンビノイドのことです。

医療用大麻 photo by wikimedia

歴史を紐解くと、古来より大麻は薬として用いられています。紀元前2700年前から用いられていたという記録があります。さまざまな地域で幅広く用いられてきました。

大麻は薬として用いる以外にも嗜好品としても盛んに用いられていました。大麻の乱用が社会問題になったことで20世紀初頭から規制されはじめ、1961年の「麻薬に関する単一条約」によって国際的に大麻が非合法となります。

近年になって、大麻に関する研究が進むにつれて医療として大麻を用いることが有効であるのはないかと見直されようになってきています。

現在では、アメリカでは首都ワシントンDCと29州、カナダ、オランダ、イスラエル、スペイン、ベルギー、イギリス、ドイツ、オーストラリア、コロンビア、ジャマイカ、韓国などで医療用として用いられています。国によって全面解禁から特定の疾患に限って用いるなど対応の仕方はさまざまです。

※アメリカは、国の立場として品医薬品局(FDA)と麻薬取締局(DEA)は医療価値がないとしているために州法の範囲でのみ認められています。

なお、大麻については有用性や有害性の側面から数多くの研究論文が発表されています。大麻に薬理作用があることは確認されていますが有害性があることも確認されています。

-医療用大麻の効能はさまざまです-

医療用大麻の効能については、おもに「鎮痛作用、沈静作用、不眠改善」ですが、「食欲増進、眼圧緩和、嘔吐抑制、抗うつ作用、抗けいれん作用」などさまざな薬理作用があげられます。

医療用大麻が薬としてどのような病気に用いられるかは医療用大麻の使用を認めている国によって異なります。多発性硬化症などの難病、脊髄疾患、がん、エイズ、難治性てんかんの治療や疼痛管理に比較的多く用いられています。

大麻が薬用として用いられるのは、既存の治療薬では効果がないもしくは副作用が強い患者さんへの代替医療として期待できる、有効な治療薬がない疾患への効果が期待できることなどにあります。

[医療用大麻は今後どうなるの]

日本では、娯楽用大麻はもちろんのこと医療用大麻も含めて栽培、輸入、所持などは大麻取締法によって禁止されています。研究目的でも許されていません。

医療用大麻についてWHOは従来まで「大麻は有害であり医療的な効果の根拠は疑問である」としていましたが、2016年に医療大麻の使用実態などが正式な審査を受けていないことを認めて再審査の準備を開始しています。

WHO photo by wikimedia

WHOの同年の報告書では大麻常用に対しての有害性を一部認めつつも、「がん、AIDS、緑内障、抗うつ薬、抗けいれん剤、疼痛管理」などで治療効果が実証されているとして、さらなる研究の必要性があるとしています。

大麻については医学界においても是非が二分されているのが現状です。今後、医療用大麻については見解が変わってくるかもしれませんよね。今後の動きを見守っていきたいところですね。

 

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