第108回看護師国家試験を解いてみた 問題解説 午前109~111 母乳保育のアドバイス

続きです。

次の文を読み109~111の問いに答えよ。

Aさん(30歳、初産婦、会社員)は、夫と2人暮らし。妊婦38週6日で3,200gの児を正常分娩した。分娩後から母子同室を開始しており、母乳育児を希望している。

109 産褥2日。乳房の緊満はなく、熱感がある。初乳から移行乳へと変化している。Aさんの児の抱き方はぎこちなく、乳頭をくわえさせるのに時間がかかっている。産褥1日から2日にかけた24時間で、14回の直接授乳をしている。児の体重は3,060g で、体重減少率は4.4%、排尿は3回/日、排便は2回/日である。Aさんは「あまり母乳が出ていないようですが、人工乳を足した方がよいですか」と看護師に相談した。

この時、看護師がアセスメントする項目で最も重要なのはどれか。

  1. 直接授乳の回数
  2. 母乳の分泌状態
  3. 児の体重減少率
  4. 児の排泄状況









ネット上では、2と4で答えが分かれてます。

新生児の排便回数は一般的には5~7回/日で、Aさんの児は、2回/日と少な目ですが、最低限の排便はできています。排尿回数が3回/日は少ないです。

排尿回数は、生後1週間までは1日6~8回、以後1日10~15回と増加します。

母乳の分泌状態も心配ですが、児の排尿回数が少ないため、児の排泄状況を優先してアセスメントします。

よって答えは4とします。

厚生労働省の発表では答えは3でした。 答えから考えると、母乳分泌も排泄状況もあまり問題ではなく、純粋に栄養が 足りてるかどうかを考えるのに適切な選択肢は?ってことでしょうか。すいませんでした。






110 産褥3日。Aさんの子宮底は臍下3横指、硬度は硬い。悪露は血性少量であった。乳房は左右とも全体的に硬く触れ、熱感と発赤があり痛みを訴えている。乳汁分泌状態は、乳管口は開口数左右5本ずつ、移行乳の分泌を認める。Aさんのバイタルサインは体温37.9℃、脈拍72/分、血圧108/60mmHgであった。

Aさんの状態として最も考えられるのはどれか。

  1. 産褥熱
  2. 子宮復古不全
  3. 乳腺炎
  4. 乳房緊満









初期の乳房緊満は、出産当日を含め産後2~6日の母乳分泌量が増加するあたりから見られるようになります。

通常、乳房が張って痛くなります。皮膚は発赤します。おっぱいの熱が高くなりますが、乳腺炎とはちがって全身症状は見られません。

よって答えは4になります。

厚生労働省の発表で、答えは3と4の両方になりました。

高熱があることから乳腺炎も考慮されるということでしょう。







111 産褥4日。Aさんは乳頭を児にうまくくわえさせられず「上手におっぱいがあげられない。退院してからも続けていけるか心配です」と言う。Aさんの乳房からは移行乳の分泌がみられる。児の体重は3,040g、排尿は5回/日、排便は4回/日である。

Aさんへの授乳時のアドバイスとして、適切なのはどれか。2つ選べ。

  1. 3時間ごとに授乳させる。
  2. 児が前屈姿勢になるように支える。
  3. 児が啼泣している時に授乳させる。
  4. 児の舌の上に乳頭がのるようにくわえさせる。
  5. 児が大きく口を開けたタイミングで乳頭をくわえさせる。









アゴを上げた姿勢が哺乳しやすい姿勢になります。

Aさんは、乳頭を児にうまくくわえさせられずに悩んでいるので、くわえ方のコツをアドバイスします。

よって答えは4,5になります。



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第108回看護師国家試験を解いてみた 問題解説 パニック発作の対応

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