51 Aさん(80歳、女性)。大腿骨頸部骨折のため人工骨頭置換術を受けた。手術後14日、Aさんの経過は順調で歩行訓練を行っている。歩行による疼痛の訴えはない。
現在のAさんの状態で最も注意すべきなのはどれか。
- せん妄
- 創部感染
- 股関節脱臼
- 深部静脈血栓症
人工骨頭置換術は、大腿骨頭を切除し人工骨頭に置換する手術です。
術後のせん妄は、手術をきっかけにしておこる精神障害です。手術の後いったん平静になった患者さんが数日たってから、せん妄をおこし、1週間前後続いて次第に落ち着いていくことが多いです。
術後の創部感染は、手術した部位に細菌が入って増殖し、発熱や痛みが生じます。術後に、熱が下がらない、創部に発赤・熱感がある、血液検査で炎症反応を認めた場合などに疑います。術後早期に発症することが多い合併症です。
股関節脱臼の多くは、大腿骨の頭部が後方に押されて起こります。歩行訓練などのリハビリテーションをおこなっている時期であり、股関節脱臼には注意します。
深部静脈血栓症は,四肢または骨盤の深部静脈で血液が凝固します。術後1ヶ月以内は注意が必要です。
リハビリテーションが始まっていて、最も注意すべき合併症は3になります。
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