第109回看護師国家試験を解いてみた 問題解説 午前106~108 妊娠の対応

Aさん(28歳、初妊婦)は、夫(30歳、会社員)と2人暮らし。妊娠37週0日で妊婦健康診査のため来院した。身長160cm、体重62kg(非妊時体重54kg)。血圧122/74mmHg。Hb12.1g/dL、Ht36%。尿蛋白(-)、尿糖(-)。下肢に軽度の浮腫を認める。子宮底長32cm、推定胎児体重2,810g。Aさんは「1時間に、1時間に2、3回お腹が張ることがありますが、休んでいるとおさまります」と言う。

106 このときのAさんの状態で正しいのはどれか。

  1. 陣痛発来
  2. 正常な妊娠経過
  3. 胎児発育不全〈FGR〉
  4. 妊娠高血圧症候群〈HDP〉










10分間隔になってきた時、または1時間に6回以上陣痛が来た時、陣痛発来となります。

胎児発育不全とは、妊娠中の胎児推定体重が、該当週数の一般的な胎児体重と比較して明らかに小さい場合のことをいいます 。推定胎児体重は2,810gで相応です。

妊娠時に高血圧を発症した場合、妊娠高血圧症候群といいます。血圧は122/74と正常範囲内です。

よって答えは2になります。




107 妊婦健康診査後、Aさんは「数日前から頻回に尿意を感じるようになり、夜間もトイレへ行くために目が覚め、よく眠れない」と看護師に訴えてきた。Aさんに排尿時痛および残尿感はない。Aさんへの看護師の対応で適切なのはどれか。

  1. 水分摂取を促す。
  2. 骨盤底筋群の運動を促す。
  3. 分娩後には改善する可能性が高いと説明する。
  4. 睡眠薬の処方について医師に相談すると伝える。











骨盤底筋群の運動は、尿漏れの緩和に効果的ですが、Aさんの場合は、残尿感はありません。

妊娠後期になると、骨盤内に下降してきた赤ちゃんの頭によって膀胱が圧迫され、頻尿になりやすくなります。 分娩後には改善する可能性が高いです。

よって答えは3になります。




108 Aさんは「初めての育児なので不安です。実家の母が手伝いに来てくれる予定ですが、夫は忙しくていつも22時ころにならないと帰ってきません」と言う。Aさんへの看護師の対応で最も適切なのはどれか。

  1. 「新生児訪問指導の時に相談してください」
  2. 「夫に早く帰ってきてもらうよう相談してください」
  3. 「実母以外にも手伝ってくれる人をみつけましょう」
  4. 「育児について不安に思っている内容を一緒に確認しましょう」











訴えを傾聴し、不安内容を確認していきます。

よって答えは4になります。




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