2017年6月、エビリファイの後発品であるアリピプラゾールが発売されます。先発品と比べると適応症や薬の特性の違いがみられるため注意が必要です。
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エビリファイの作用、薬効
エビリファイは、主に脳内のドーパミンを調節する働きがあります。
部分作動薬と呼ばれ、脳内のドーパミンが過剰な場合にはドーパミンの働きを阻害する方向に働き、不足の際には活性化する方向に働くという特徴的な作用をもちます。
エビリファイの適応症のひとつである統合失調症は、脳内の伝達系に異常をきたしているといわれている疾患です。
幻覚や妄想、興奮といった陽性症状と無表情、意欲低下、自閉などの陰性症状がみられます。
エビリファイと統合失調症
統合失調症はドーパミンとの関連が深いと言われていて、脳内の一部でドーパンミンが過剰になった場合陽性症状が発現します。
別の部位でドーパミンが不足するため陰性症状がでると言われています。
そのため、エビリファイのドーパミンを調節する作用は統合失調症の陽性症状、陰性症状ともに効果をあらわします。
エビリファイはほかにも双極性障害における躁状態の改善やうつ病、小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性に効果がみとめられ、適応症として承認されています。
ジェネリック医薬品としてアリビプラゾールが承認
今回、エビリファイの後発品として15社113品目のアリピプラゾールが承認されました。承認をうけた主な製薬会社は以下の通りです。
アリピプラゾール錠;明治、サワイ、日医工、オーハラ、JGなど
アリピプラゾールOD錠;ニプロ、日医工、テバなど
アリピプラゾール細粒;タカタ
アリピプラゾール散;明治、ニプロ、日医工など
アリピプラゾール内用液分包;ニプロ、テバ、サワイなど
各社とも製剤や包装に工夫がされています。
アリビプラゾールの各社の工夫
例えばエビリファイ錠では割線がありませんでしたが、後発品には割線があり割りやすくなることや、薬自体に薬品名が印字されているため識別しやすくなることが挙げられます。
エビリファイOD錠は吸湿性が高く一包化はできませんでしたが、後発品では改良され一包化できるようになりました。
また、エビリファイOD錠ではブリスターシートを採用していて大きく保管しにくいという声がありましたが、後発品では一般的なPTP包装となり保管しやすくなっています。
アリビプラゾールの各社の注意点
注意しなければいけない点は、先発品との適応症の違いです。今回、エビリファイの特許が切れたのは統合失調症の適応のみです。
承認されたアリピプラゾールの適応症は統合失調症のみとなりますので注意が必要です。
双極性障害における躁状態の改善やうつ病、小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性の適応症の取得はもう少し時間がかかります。
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