ループス腎炎治療 10の誤解ー患者と一緒に病気と向き合う姿が今を変える

治療法が日々、新しく開発されている毎日。医学の進歩は目覚ましいものですが、新しく発見される病気も数多くあります。自己免疫疾患の1つである膠原病。主に女性が罹患する率が高く、炎症など様々な症状を引き起こします。

比較的新しい病気でまだわかっていないことも多く、難病指定されている全身が倦怠感に襲われ、炎症が起こる全身性エリテマトーデスという病気が腎臓に起こるとループス腎炎になると言われています。

ループス腎炎の10の誤解とは

ループス腎炎は、微熱、血尿、むくみ、また腎機能の低下から腎不全に進行することもあります。ループス腎炎の治療には副腎皮質ホルモンや免疫抑制剤の薬物治療が行われていますが、2013年にループス腎炎に10の誤解があるとして、AMERICAN JOURNAL OF KINDNEY DISEASESに掲載されました。

ループス腎炎の治療にはシクロフォスファミド(エンドキサン)が標準治療薬として使用されていますが、全身性エリテマトーデス患者には性腺毒性や悪性腫瘍のリスクが高くなる可能性があり、ミコフェノール酸モフェチル(MMF)の投与と比較したところ、より有毒性が少なく有効であることが判明しました。妊娠時を除いて、日本のリウマチ学会でもこのMMFの使用を推奨しています。

2つめは、十分な量のプレドニンが投与されていないこと、3つめには抗マラリア薬は全身性エリテマトーデスの治療に有効であるのに評価されていないことです。

その他、ループス腎炎の治療効果の判定に尿沈渣を使用していること、進行が違うループス腎炎患者に同じ治療を行っていること、患者さんが薬をちゃんと内服していない可能性を見逃していること、重度の腎臓病患者にも、必要以上のシクロフォスファミドを投与していること、免疫抑制剤による副作用をわすれて、骨粗鬆症などの予防を行っていないこと、治療がうまくいっていない、リスクの高い患者さんには腎臓の生検をおこなわないこと、最後に、患者さんの妊娠の希望を無視していること。


写真はイメージです。 photo by flickr

これらをループス腎炎に関する10の誤解として挙げています。医学常識も日々変わっていきます。よりよい医療を提供するためにも新たな知見を日々勉強することが大切になってきます。

 

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