心理学、精神科といった言葉が珍しくないこの時代、「バウムテスト」という言葉をどこかで聞いたことがある方もいるかもしれません。
「聞いたことはあるけど、よくわからない」、「興味があるので知りたい」という方のために、バウムテストについて紹介します。
バウムテストを受ける予定のあるかたは、読むのは検査をうけてからにしてください。
バウムテストとは何か
バウムテストは、主に精神科で実施される心理検査の一種で、投影法にあたります。
投影法は、ここでは「内面を何かに映すんだ!」くらいに捉えておくことにしましょう。バウムテストでは、「実のなる木を描いてください」あるいは「木を一本描いてください」という教示のもと、患者さんに樹木を描いていただき、検査者が解釈するものです。つまり、内面を樹木に映すわけですね。
では、樹木から何がわかるのかといいますと、主に「知的水準」、「パーソナリティ」、「病態水準」を解釈することができます。
しかし、これらが完璧にわかるというわけではなく、あくまでも可能性の範囲、大まかなところとして解釈します。そのため、バウムテストは補助検査として用い、患者さんに合わせていくつかの心理検査を組み合わせて実施する(テスト・バッテリーと呼びます)ことがほとんどです。
また、バウムテストは、検査者の主観や経験、スキルによって解釈が左右される側面があります。
バウムテストのメリットとデメリット
バウムテストのメリットは、投影法の中でも患者さんへの負担が少なく、患者さんが言葉を発する必要がありません。
そのため、活動性の低下が著しい患者さんや何らかの事情によって言葉を発することができない患者さんにも実施することができます。また、比較的簡易に実施できることから、治療経過を追って実施することも可能です。
いっぽうで、バウムテストは、その簡易さゆえに、患者さんによる操作がある程度可能になってしまう側面もあります。解釈の知識を持っていれば、本来の内面が反映されません。
例えば、わざとよく見せようとしたり、反対に具合が悪いように見せようとする歪みが起きます。そのため、検査者は基本的な解釈だけでなく、患者さんの特徴をよく見極める必要があります。
まとめ
①バウムテストは、心理検査の一種であり、投影法である。
②バウムテストからわかることは、あくまでも可能性の範囲である。
③バウムテストは、患者さんに合わせてテスト・バッテリーを組むことがほとんどである。
④バウムテストは患者さんへの負担が少なく、患者さんが言葉を発せなくても実施できる。
いかがでしょうか?
バウムテストについて、少しでも理解が得られれば幸いです。もし、バウムテストを受けてみたいと思われた方がいましたら、なるべく詳細を知らないうちに実施してもらうことをオススメします。
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