能力的側面でお悩みの方へ 知能検査からわかるお悩みの原因と対策

「どうしてメモを取っているのにできないんだろう?」

「覚えが悪いと言われる……。」

こんな疑問、お悩みを職場で抱いたことはありませんか?人は誰でも、得意なこと、苦手なことがあります。苦手なことに対して、自分なりに対策できている方は「苦手の原因がわかっている」からです。しかし、対策しているはずなのに、一向に改善しない、そもそもどう対策したら良いのかわからない、という方は「根本的な原因がわかってない」ことがほとんどです。

そこで今回は、職場で能力的側面に躓きを感じ、悩んでいる方へ、知能検査を受けることで躓きの改善にどのように繋がるのかを紹介したいと思います。

知能検査とは?

知能検査は、心理検査の一種で、主に知的側面(能力的側面)の得意分野、苦手分野を分析し、その人の自己理解を深めたり、苦手分野への対策、今後の方向性のヒントを得るなどの目的で実施します。


写真はイメージです。 photo by Wikipedia

年齢、目的別に種類は様々です。例えば、小さなお子様に遊び感覚で実施できる「新版K式発達検査」や知的障碍が疑われる方や発達水準をみるための「田中ビネー知能検査」があります。冒頭で挙げたような職場でのお悩みを抱える方には「WAIS-Ⅲ」を実施することがほとんどです。ここでWAIS-Ⅲについて軽く触れておくことにしましょう。

WAIS-Ⅲは、16歳~89歳と幅広い年齢に適応でき、「言語性IQ」、「動作性IQ」の2つが算出されます。さらに、「言語性IQ」は「言語理解」と「作動記憶」、「動作性IQ」は「知覚統合」と「処理速度」という能力に分けられ、それぞれ数値化することができます。

実施時間は1時間~2時間程と個人差がありますが、早ければ良いというわけではありませんので、単純に目安として捉えてください。得意分野、苦手分野の分析はもちろん、発達障碍の鑑別にも利用されます。

知能検査を躓きの改善に繋げる

WAIS-Ⅲを実施した場合、どのように躓きの原因がわかるのか、例を挙げて説明したいと思います。今回は、発達障碍ではないことを前提とします。

冒頭で挙げたような「どうしてメモを取っているのにできないんだろう?」というお悩みを抱えた方は、上司の説明をメモしているにも関わらず、いざ実践となると作業ができません。

WAIS-Ⅲを実施したところ「言語性IQよりも動作性IQの方が明らかに高い」という結果になりました。わかりやすく説明すると「言葉で理解するよりも、目で見て理解するほうが得意」ということです。つまり、このお悩みを抱えている方は、「メモを取る(言葉で理解する)よりも実際にやっているところを見る(目で見て理解する)方が得意だった!」というわけですね。そのため、対策は「実践で教わる」となります。このように、根本的な原因がわかることで、適切な対策ができ、躓きの改善へと繋がります。

※この結果は一例ですので、同じお悩みの方の絶対的な対策ではありませんので注意してください。

こころの病に発展する前に……

働く方に実施する知能検査は「WAIS-Ⅲ」であることが最も多く、実施時間は決して短いとは言えません。エネルギーを使う検査ですので、大抵の方は検査後に疲れを感じます。


photo by vimeo

そのため、職場での能力的側面に悩むあまり、うつ的な症状や過度の落ち込みに発展する前に、知能検査を受けた方が負担は少ないです。

知能検査を受ける=発達障碍、知的障碍というイメージを持たれる方が多いかもしれませんが、そんなことはありません。現代では「自分の能力の特徴を知って、就職に役立たせたい」という方も多くいらっしゃいます。お悩みが深まる前に、知能検査を検討してみてはいかがでしょうか。

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