息が吸いにくくなる?間質性肺炎とは

間質性肺炎とは、肺の間質と呼ばれる部分に炎症や損傷が起こることで、組織が異常増殖して肺の壁が肥厚し、息を吸いにくくなる病気です。この間質性肺炎は50歳以上の男性に多く見られ、その中でも喫煙者に多いとされていることから、喫煙が原因の1つなのではないかと考えられています。この間質性肺炎ですが、進行するとどうなってしまうのでしょうか。間質性肺炎について、しくみや治療などについて紹介します。


写真はイメージです。 photo by photo AC

〇間質性肺炎の原因は?

原因としては、先に挙げたように喫煙が考えられます。また喫煙以外にも膠原病などの全身性疾患によるものや放射線治療などの副作用によるもの、また粉塵の吸入など様々な原因があげられます。

 

〇なぜ肺の壁が肥厚するの?

肺は肺胞と呼ばれる小さな袋がブドウの房のように集まってできています。この肺胞の大きさは0.1~0.2mmほどとされています。この肺胞の壁が、喫煙などの危険因子によって炎症を起こしたり損傷を受けたりすると、修復される過程で繊維化し、厚く硬くなってしまうのです。


肺胞(Alveoli) photo by wikipedia

 

〇放っておくとどうなる?

最初は無症状のことが多いですが、間質性肺炎を放置すると、肺胞壁の肥厚が進んでいきます。これにより肺胞は膨らみにくくなり、空気を取り入れにくくなります。このため少し病態が進行してから最初の症状が現れることが多く、乾いた咳や動作時の呼吸困難、ばち指などがみられます。

この状態をさらに放っておくと、ますます肺胞壁の肥厚が進んでいきます。縦郭や胸膜などの肥厚によって肺が動かなくなり、呼吸ができなくなってしまうケースもあります。

 

〇治療法

まず喫煙している人は禁煙から始めます。病態が初期の場合、多くはステロイドや免疫抑制剤などの薬物療法が適応となります。そしてある程度病態が進行してくると抗繊維化薬という、肺胞の肥厚を抑制する薬が使用されます。いずれも個人差があるため、必ずしも薬で完治するわけではありません。間質性肺炎は「呼吸がいつもと違うかな」と気づいたときに受診し、早期発見することが大切です。


写真はイメージです。 photo by photo AC

内服で改善しない場合は呼吸困難緩和のための在宅酸素療法や、重度の場合は肺移植などが行われる場合もあります。

 

〇まとめ

間質性肺炎は早期発見が大切です。そのため異常を感じたら早めに受診することが大事ですよ。また間質性肺炎と診断されたら、風邪をこじらせたり、インフルエンザなどで急激に悪化し、最悪の場合命に直結することもあります。そのため、まずは喫煙などのリスクとなることは控えて間質性肺炎を避けること、そして間質性肺炎になってしまったら手洗いうがいを習慣づけたり、インフルエンザや肺炎の予防接種を受けるなどして、日ごろから健康には気を付けるようにしましょう。

 

 

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