ねんざと脱臼の違いは?それぞれの特徴や治療について

スポーツをしている人はねんざや脱臼などを一度は経験したことがある人は多いのではないでしょうか。ねんざも脱臼も身近に起こりうることですが、これらの違いはいったい何なのでしょうか。

〇ねんざとは

ねんざとは、関節に強い力が加わることで、関節がねじれてその周囲の靭帯や関節包といった組織が損傷した状態をいいます。日常生活の中やスポーツの際に起こることが多く、手首や足首に起こることが多いようです。また突き指もねんざの一つで、捻挫した場合に内出血を伴うため、痛みや腫れを伴います。


内出血をともなう足関節捻挫 photo by wikipedia

〇脱臼とは

脱臼とは、関節に強い力が加わることで、関節や骨にずれがある状態をいいます。関節はその部位によって動かせる範囲(可動域)が異なりますが、この可動域を超えた無理な動きを強いられることで脱臼が起こります。そのため脱臼はすべての関節に起こりえますが、特に股関節や肩、ひじ、あごなどによく起こるとされ、痛みや腫れ、運動障害や変形などを伴います。

 

〇ねんざと脱臼の違いは?

ねんざも脱臼もX線検査にて診断を行いますが、関節周囲の損傷のみの場合がねんざ、関節にずれを伴う場合が脱臼という診断になります。また症状などによってはMRIやCTにて詳しく検査を行う場合もあります。


写真はイメージです。 photo by photo AC

〇治療法

ねんざの場合は関節周囲の組織の損傷によるものなので、なるべく早い処置が必要となります。一般的にRICE療法とよばれる治療が効果的で、ねんざをしたら①休息(Rest)、②冷却(Icing)、③圧迫(Compression)、④挙上(Elevation)を行いましょう。病院へ行くまでの間これらを行うことで、炎症の進行を抑えることが期待できます。

脱臼の場合は、関節を正常な場所に戻し(整復)、必要に応じて一定期間固定します。また脱臼の場合も捻挫と同様にRICE療法が有効です。ただし、関節の整復は自己判断で行わないほうがいいでしょう。周りの組織を傷つけ、炎症をひどくさせてしまう危険があります。治療が遅れて正常な場所に戻せなくなってしまった場合や、再発してくせになってしまっている場合は手術をすることもあります。

 

〇経過と予後

捻挫の場合も脱臼の場合も、治るまでは痛みの起こらない範囲での動作とすることが基本となり、場合によっては数週間ほど固定することもあります。また脱臼の場合は、一度ずれてしまった関節の動きを正常に戻すためにリハビリテーションを行うこともあります。


写真はイメージです。 photo by photo AC

〇まとめ

捻挫も脱臼も関節周囲に起こるものですが、違いは関節にずれがあるかないかという点です。早期からの治療が、炎症を進行させないようにするためのカギです。早めに医療機関を受診することも肝要です。

 

 

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