学習障害、AD/HD なぜ今増えているのか

1990年代前半まで学習障害やADHDという言葉を聞いたことがある人はそんなに多くないと思います。

ところが、現在はこのような言葉を聞く機会が多いです。実際、学校現場あるいはテレビのニュースといったメディアなどで注目されている疾患です。過去20年間に患者数は7倍に増えたというデータもあります。

では、なぜ短期間にここまで急激に学習障害やADHDという病気が広まったかというと、病気そのものを持っている人が増えたわけではどうやらなさそうです。1990年代までは、学習障害やADHDを患っている子供は適切な診断を受けることが少なく、学校ではもっぱら扱いの難しい子供と見られがちでした。

ところが、精神医学の疾患の分類方法、世間の機運が高まり、今まで学習障害と見なされなかった子供も学習障害という病名が与えられたのです。


写真はイメージです。 photo by photo AC

このことがいいことか悪いことかと二分法で考えるのは適切ではありませんが、実際には学習障害という病気のラベルを貼ることで精神障害の子どもを発掘しているという人もいれば、学習障害の子どもを早期に見つけることが出来るようになり、早い時期での介入ができるようになったと考えている人もいます。

では、実際に過去に学習障害を患っていたと考えられている人の中にどのような人がいたかというと発明王のエジソンがいます。彼は学校に溶け込めず、中退し彼の母親が勉強を教えました。この過去の事例からわかることは学習障害があっても適切な支援を行える人がいれば、健常者と同じぐらいあるいはそれ以上の能力を発揮する可能性を秘めています。

他の例としては、アメリカの俳優ブラット・ピットも学習障害を患っていると公言していますが、俳優として大きな成功を収めています。彼の障害は、読むことに現われていて文章を理解することが難しいそうです。ただ、第三者に音読をしてもらうと理解することができるので、彼は俳優として活躍しているのです。


写真はイメージです。 photo by photo AC

昔から存在していた学習障害ですが、世間から注目を浴びるようになって多くの子供たちが診断され始めています。医療現場、教育、家庭で大事なことは子供がそのような病気を持っていることを留意しつつ適切な接し方や介入方法を子供と一緒に模索し、そのような子供たちが能力をしっかり発現できる場所を見つけることが何よりも大事なのです。病気の診断で終わりではなく、そこから先の対処法を考えるのが一番大事なのです。

 

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