第108回看護師国家試験を解いてみた 問題解説 午後41~45 気管支喘息の治療で正しいのはどれか

続きです。

 

41 Aさん(48歳、男性)は、仕事中に生じた胸部と右肩の違和感を主訴に来院した。バイタルサインは安定しているが、スタンフォード分類B型の急性大動脈解離と診断され、医師から手術を勧められた。治療の選択で迷っている様子のAさんへの対応で適切なのはどれか。

  1. 「医師からの治療のリスクや合併症の説明で、不明な点はありますか」
  2. 「手術を受けるか受けないか、すぐに決めたほうがよいです」
  3. 「医師の判断に任せるのが一番よいと思います」
  4. 「緊急度が高いので、話はあとにしましょう」

 

 




治療の選択で迷う理由は、さまざまです。

医師からの説明に対する理解不足、家族や周囲の人々との意見の不一致、自分で治療を決める事への戸惑いなどです。

患者さんが、治療選択するのに助けになるような対応をとりましょう。

よって答えは1になります。



 

 

 

42 Aさん(64歳、男性)は、2年前に前立腺癌と診断され、内分泌療法を受けていた。1か月前から体動時に強い痛みが腰部に生じるようになり、外来を受診したところ腰椎転移と診断された。Aさんに生じている痛みで最も考えられるのはどれか。

  1. 関連痛
  2. 体性痛
  3. 中枢痛
  4. 内臓痛

 

 





関連痛とは、痛みとなる原因が生じた部位と異なる部位に感じる痛みのことです。例えば、狭心症で、心臓部の痛みを左上腕の痛みと感じることが挙げられます。

体性痛とは、皮膚や骨、関節、筋肉、結合組織といった体性組織への、切る、刺すなどの機械的刺激が原因で発生する痛みです。

中枢痛とは、中枢神経の損傷や機能障害による痛みです。

内臓痛とは、食道、胃、小腸、大腸などの臓器の炎症や閉塞、肝臓や腎臓、膵臓などの炎症や腫瘍による圧迫、臓器被膜の急激な伸展が原因で発生する痛みです。

よって答えは2になります。



 

 

 

43 成人患者の気管支喘息の治療で正しいのはどれか。

  1. テオフィリンの投与中は血中濃度の測定が必要である。
  2. 副腎皮質ステロイド薬吸入後の含嗽は必要ない。
  3. インフルエンザワクチン接種は禁忌である。
  4. 発作時にはβ遮断薬を内服する。

 




 

テオフィリンの投与中は血中濃度の測定が必要です。

副腎皮質ステロイド薬吸入の副作用として、口の中に残ると粘膜の免疫を抑制してしまい、カンジダが増えることがあります。防ぐために、吸入後にうがいをします。

気管支喘息の治療中でもインフルエンザワクチンの接種をしても構いません。

発作時には、即効性のあるβ刺激薬を使用します。

よって答えは1になります。

 




 

44 経皮的腎生検を受ける患者への説明で適切なのはどれか。

  1. 検査中の体位は仰臥位とする。
  2. 穿刺時にくり返し深呼吸をする。
  3. 検査後はベッド上安静とする。
  4. 検査後2日間は禁食にする。

 

 





腎生検を受ける際の体位は腹臥位になります。

穿刺時は息を止めて行います。

検査後は、仰臥位になり半日から一日くらいベッド上安静が必要となります。

検査後は、食事、飲水は可能ですが、仰向けを少し起こした状態で取ります。

よって答えは3になります。




 

 

45 糖質コルチコイドの分泌が長期に過剰となった状態の身体所見で正しいのはどれか。

  1. 眼球突出
  2. 甲状腺腫大
  3. 頻脈
  4. 満月様顔貌

 

 





糖質コルチコイドの分泌が過剰となった状態をクッシング症候群といいます。

クッシング症候群では、中心性肥満、満月様顔貌(ムーンフェイス)、高血圧、一般糖尿病症状、皮膚線条などがみられます。

眼球突出、甲状腺腫大、頻脈はバセドー病の身体所見ですね。

よって答えは4になります。

 

 

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第108回看護師国家試験を解いてみた 問題解説 慢性副鼻腔炎の手術を受けた患者に対する説明で適切なのはどれか

 

 

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