第108回看護師国家試験を解いてみた 問題解説 午後46~50 慢性副鼻腔炎の手術を受けた患者に対する説明で適切なのはどれか

続きです。

 

 

46 慢性副鼻腔炎の手術を受けた患者に対する説明で適切なのはどれか。

  1. 咽頭にたまった分泌物は飲んでも良い。
  2. 臥床時は頭部を低く保つ。
  3. 手術当日から入浴が可能である。
  4. 物が二重に見えるときは看護師に伝える。

 

 




手術後は、血液が混じった分泌物が喉の奥へ流れてきます。そのような分泌物は飲み込まず、口からそっと吐き出します。

手術後は、極力ベッドで安静にして過ごします。

手術後1週間程度したら入浴は可能です。

副鼻腔は奥の方で眼窩の内側と接しています。 手術時に眼窩の近くを操作するため、眼窩周囲が腫れたり、物が二重に見えたり、視力や視野に異常が起こったりすることがあるので注意が必要です。

よって答えは4になります。



 

 

47 サクセスフルエイジングの説明で適切なのはどれか。

  1. 老化の過程にうまく適応する。
  2. 権威のある者によって一方的に守られる。
  3. 生命あるものに共通して起こる現象である。
  4. 社会的な役割から離脱することで自由になる。

 

 





サクセスフル・エイジングとは、良い人生を送り、天寿を全うすることとされていて、生きがいや幸福な老いがその意味に最も近いと考えられています

よって答えは1になります。




 

 

48 判断能力が不十分な認知症高齢者の権利擁護を目的とするのはどれか。

  1. 公的年金制度
  2. 生活保護制度
  3. 後期高齢者医療制度
  4. 日常生活自立支援事業

 

 






公的年金制度とは、日本に住む20歳から60歳未満のすべての人に加入する義務がある、国民皆年金です。 社会全体で高齢者を支えるために整備された仕組みです。

生活保護制度とは、国が生活に困窮する国民に対し、必要な保護と、自立を助長することを目的とする制度です。

後期高齢者医療制度とは、75歳(寝たきり等の場合は65歳)以上の方が加入する独立した医療制度です。

日常生活自立支援事業とは、認知症高齢者、知的障害者、精神障害者等のうち判断能力が不十分な方が地域において自立した生活が送れるよう、利用者との契約に基づき、福祉サービスの利用援助等を行うものです。

よって答えは4になります。

 




 

49 Aさん(76歳、女性)は、ステージ2の慢性腎臓病と診断された。身長146cm、体重50kg。日常生活は自立し、毎日家事をしている。週2回、ビールをグラス1杯程度飲んでいる。Aさんへの生活指導の内容で優先されるのはどれか。

  1. 安静
  2. 禁酒
  3. 減塩
  4. 体重の減量

 

 




慢性腎臓病のステージ2は、軽度の腎機能の低下になります。エネルギー制限、塩分制限、蛋白制限を行います。

1日の塩分摂取量の目安は3g/日以上、6g/日未満になります。漬物、塩漬け食品を控えるようにし、ラーメン、うどんなどの汁は飲み干さないようにしましょう。

1日の摂取エネルギーの目安は、標準体重×25~35kcalです。Aさんの標準体重は、22×1.46×1.46=46.9㎏になります。現在50㎏なので、あわてて減量する必要はなさそうです。

たんぱく質の摂り過ぎは、腎臓に負担をかけるので、過剰に摂取しないように調節します。

よって答えは3になります。

 




 

50 認知症高齢者との対話で適切なのはどれか。

  1. 表情を見せながら話す。
  2. 高齢者の横から話しかける。
  3. 会話の内容を記憶しているか確認する。
  4. 言葉が出てこない時は思い出すまで待ち続ける。

 

 





微笑む、指をさす等で高齢者に気持ちは十分伝わります。表情豊かにジェスチャーを交えて話しかける事で、認知症高齢者との意思交流を図りましょう。

正面から話しかけることで、相手に誠実さが伝わります。

認知症の方は、会話の内容を長く覚えておくことができなくなってきます。覚えておいてもらえることをあまり期待せず、その時その時を気持ちよく過ごしてもらえるように考えを切り替えましょう。

返事がない場合や、意図的な反応が見られない場合は、介護をおこなっている自分の動きを実況中継して、言葉を途切れさせないようにすることもひとつの方法です。

よって答えは1になります。

 

 

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第108回看護師国家試験を解いてみた 問題解説 介護保険制度における地域密着型サービスはどれか

 

 

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