第108回看護師国家試験を解いてみた 問題解説 午後103~105 腸重積の対応

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次の文を読み 103〜105 の問いに答えよ。

A ちゃん(生後 10 か月)は、それまで機嫌よく過ごしていたが、夕方から突然不機嫌になり、15〜20 分ごとに激しく泣いては、泣き止むことを繰り返した。A ちゃん は夕食の離乳食を食べず哺乳もしなかったが、嘔吐したため 21 時に保護者と救急病院を受診した。担当医師は保護者に、腸重積症が疑われるためグリセリン浣腸を行って便性を確認する、と説明した。体温は 37.1 ℃であった。

103 浣腸後に想定される反応便はどれか。

  1. 兎糞便
  2. タール便
  3. 灰白色便
  4. 米のとぎ汁様便
  5. イチゴゼリー様便










腸重積で特徴的なのは、イチゴゼリー状といわれる粘血便です。

兎糞便は、便秘のときの便の特徴です。

タール便とは、何らかの原因で上部消化管の食道・胃・十二指腸から出血し、血液が胃酸と交わり黒色化して排泄された便で、黒色便とも呼びます。

小児の灰白色便は、先天性胆道閉鎖症でみられます。

米のとぎ汁様便は、感染性胃腸炎でみられます。

よって答えは5になります。






104 A ちゃんへの腹部超音波検査の結果、腸重積症の診断が確定し、静脈内注射による鎮静下で高圧浣腸が行われることになった。

看護師が一連の処置の準備をするにあたり、最も重要な物品はどれか。

  1. 潤滑ゼリー
  2. 替えのおむつ
  3. ガーグルベースン
  4. 経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉モニター











鎮静がかかりすぎないようモニターするにあたって、経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)モニターは最も重要な物品になります。

よって答えは4になります。






105 A ちゃんは、高圧浣腸により重積が整復され、経過観察のため入院した。翌朝、経口摂取が可能となり、状態も落ちついているため退院が決定した。保護者から 「退院後に何か注意することはありますか」と看護師に質問があった。

保護者への説明で適切なのはどれか。

  1. 「月1回の受診をしてください」
  2. 「3日間は入浴を控えてください」
  3. 「1週間は離乳食を1日1回にしてください」
  4. 「同じような症状が出たら受診してください」










腸重積は再発することが稀ではありません。同様の症状が出た際には、受診します。

よって答えは4になります。

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第108回看護師国家試験を解いてみた 問題解説 産後の対応

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