自分と相手をより大切にする表現技法 アサーション


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誰もが何かしらの人間関係で悩みを持っているのではないでしょうか。心理学者のアドラーは「人の悩みはすべて人間関係によるもの」と語っています。

人間関係を円滑にする「アサーション」という概念があります。アサーションとは自分の伝えたいこと、自分の気持ちを率直に分かりやすく伝えます。同時に相手の話すことも理解する姿勢を持って聞きます。

このように表現すると当たり前のように感じますが、実際にはなかなか難しいものです。

アサーションをもちいてコミュニケーションを円滑に

例えばAさんがハンカチを失くしたとします。そのハンカチは恩人から貰ったとても大切にしていたものです。そのことでAさんは相当悲しみました。そしてそれをBさんに話したとします。

Bさんは「たかがハンカチでしょ」と思うかもしれません。そしてBさんに「新しいハンカチを買えばそれでいいじゃない」と軽々しく言われると、Aさんは腹立たしく思うかもしれません。

「とても大切にしていたハンカチを無くしてとても悲しい」と表現していれば、それがAさんにとってのアサーションといえます。Bさんは「それはとても残念だったね」と共感してくれたことでしょう。

同様にBさんがとても大事な仕事を失敗して相当落ち込んでいたとしたら、「どういう失敗をしてどのくらい落ち込んでいるのか」をAさんなりに想像して、共感的姿勢で話を聞くことでアサーションが成立します。

あえてアサーションを使わない場合も

それとは逆に「アサーションを行使しない」という考えもあります。例えば隣人の物音がうるさいと気になったとします。

その時に「うるさいので静かにしてください」と隣人に直接言いに行くことが出来ます。しかし、「言いに行くことで関係がこじれるかも知れない。そのうち静かになるだろう」と自分の意思をあえて伝えない権利も持っています。

これがアサーションを行使しないということです。

アサーションを行使しないのであれば、相手を恨まないことが重要です。自分の意思を主張しないという選択を自らしたわけですから、それを受け入れなければなりません。

どちらを選択するにしても、納得して行動することが大切です。

社会生活において円滑なコミュニケーションを図ることは非常に難しいことです。しかし頭の片隅に「アサーション」の概念を置いておくと、人間関係によるストレスが軽減するかも知れません。

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