後期発症脊髄性筋萎縮症のあらたな治療法について NEJMからの報告

今回は、NEJMから脊髄性筋萎縮症という難病におけるあらたな治療法の報告です。

Nusinersen versus Sham Control in Later-Onset Spinal Muscular Atrophy | NEJM
Original Article from The New England Journal of Medicine — Nusinersen versus Sham Control in Later-Onset Spinal Muscular Atrophy

脊髄性筋萎縮症とは

まずは、脊髄性筋萎縮症という病気ですが、その名前の通り、脊髄にある運動に関係する細胞が変化することで、じょじょに筋肉が弱くなっていく病気です。

成人期に発症するタイプと小児期に発症するタイプが知られていますが、今回の論文では、生後6か月後以降に発症したタイプの脊髄性筋萎縮症を後期発症(Later-onset)の脊髄性筋萎縮症と定めています。

脊髄性筋萎縮症の症状の程度はさまざまで、身体を全く動かすことができず、身体の緊張がまったくないグッタリとしている乳児から、もともと普通に歩けていた人が、転びやすくなったり、歩けない、立てないといった症状がでてきてしまう人まで様々います。


写真はイメージです。 photo by illust-ac

現時点では、有効な治療法がなく、おなじ運動ニューロンの障がいを認めるALSの治療薬を使用することがあります。

以前にも当サイトでヌシネルセンの新薬発売の記事をお伝えしました。今回は、その続報の記事にあたります。

ヌシネルセンを髄注することで運動機能の改善あり

今回の研究では、後期発症の脊髄性筋萎縮症126人の小児を対象に、ヌシネルセン(商品名;スピンラザ)の髄注と偽薬投与群で比較した第3相試験を行っています。

処置群では、ヌシネルセン12㎎を初回以降、4週間後、12週間後、39週間後に投与しています。

治療後15か月目に脊髄性筋萎縮症の患者さんの運動能力を0から66点満点で測定するHammersmith Functional Motor Scale–Expanded (HFMSE) を測定したところ、3点以上の改善をネシネルセン処置群では57%、偽薬投与群では26%認め、HFMSEで有意な改善を認めました。

HFMSE|評価スケール|Spinraza.jp
医療関係者の皆様へ/【HFMSE】スピンラザの臨床試験で用いられた運動機能の評価尺度について解説します。

 

また、今回の報告では、ヌシネルセン投与群と偽薬投与群で副作用はおおむね同程度でした。

ヌシネルセンとは

ヌシネルセンとは、2016年12月にアメリカの食品医薬品局で、脊髄性筋萎縮症のための初めての治療薬として認可され、日本では2017年8月に販売開始された薬です。


写真はイメージです。photo by pixabay

当初は、乳児型の脊髄性筋萎縮症に適応がありましたが、9月から適応が拡がり乳児型以外の脊髄性筋萎縮症にも使用可能となりました。

12㎎1バイアルあたり900万円以上という薬価が定められていて、生涯にわたる髄注が必要なのではないかと指摘されています。

 

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