「医薬品」カテゴリーアーカイブ

早く効いて、持続するルパフィン 眠気にはご注意を

こんにちは、ふくろうです。 少しずつ暖かくなり、花粉症の季節が近づいてきましたね。 花粉症の薬といえば、ザイザル、タリオン、アレグラ、ちょっと眠いけど効き目のあるアレロックなどが一般的に名前の挙がる薬だと思います。 これらの薬は、抗ヒスタミン作用とよばれる作用をもつ薬となっています。 今回紹介するルパフィンというお薬は、この抗ヒスタミン作用に抗PAF作用と呼ばれる作用をもつことで、くしゃみ。鼻水、鼻づまりなどの症状をおさえます。 2017年12月に発売開始されましたが、発売開始時点で世界80か国以上で承認されていました。 販売開始から1年たったということで、14日以上の長期処方が解禁されます。花粉症という病気の性質上、長期間お薬を飲むことが必要とされます。 つまり、ルパフィンにとって、今年度がはじめて迎える花粉症シーズンとなります。 今回、ネット上で、ルパフィンがいままでの薬と比べてどう違うかといったところを調べてみたところ、 「早く効いて、効果が持続する薬剤」なのではないかといわれています。 実際に、慢性蕁麻疹の患者さんにルパフィンとザイザルを比較した試験をしたところ、ルパフィンのほうがよかったという試験結果もあるようです。 ただし、よく効く薬であるためか、眠気の副作用が約10%の方に発現するといわれています。 Twitter上でも、じょじょに花粉症の処方は始まっていて、ルパフィンの効能を実感する声があがっているようです。効き目が途切れてしまう方には、1日2錠まで増やすことができますので、主治医の先生に相談してみてください。 つらい鼻水、くしゃみ、鼻づまりが少しでもよくなるといいですね。 Continue Reading ->

2019年1月に第一三共さんが国内製造販売承認を取得した「タリージェ®錠」とは

こんにちは、ふくろうです。 今回は、2019年1月に第一三共さんが国内製造販売承認を取得した「タリージェ®錠」についてお話ししたいと思います。 まず、第一三共さんのニュースリリースから引用すると、   第一三共株式会社は、疼痛治療剤「タリージェ®錠」(一般名:ミロガバリンベシル酸塩)について、「末梢性神経障害性疼痛(PNP)*1」を適応として、国内製造販売承認を取得しましたので、お知らせいたします。 本剤は、当社が創製したα2δリガンド*2であり、日本を含むアジアにおいて実施した糖尿病性末梢神経障害性疼痛(DPNP)*3患者を対象とした第3相臨床試験および帯状疱疹後神経痛(PHN) *4患者を対象とした第3相臨床試験の結果に基づき、2018年2月に製造販売承認申請を行いました。 ということで、簡単に言うと、タリージェは末梢性神経障害性疼痛を適応としたα2δリガンド薬になります。 この段階でもしかしたらお気づきの方がいるかもしれませんが、タリージェは既に販売しているリリカの競合薬になります。 それでは、タリージェとリリカでは何が異なるかというと ・タリージェはリリカに比べて効き目が長い ・副作用発現率はリリカよりも幾分低い ・リリカは神経障害性疼痛を適応としているのに対して、タリージェは末梢性神経障害性疼痛を適応としている点です。   帯状疱疹後の神経痛などでは、リリカを内服しても痛みが残る、リリカの眠気が強いと訴えるかたが多くいます。そういった方には、タリージェがより効くかもしれませんね。 Continue Reading ->

クロスオーバー比較試験とは

毎年、さまざまな新薬が開発されていますが、現代では発売される前に治験を行うことが必須となっています。治験で効果がみとめられ、患者さんの利益がリスクを上回ると判断されてはじめて、新薬として承認されます。 正確な情報を提供するためにも、適切な試験方法やデータ解析を用いることが必要です。 薬の効果を確認する治験 治験とは、未承認の薬を健常者や患者さんに使用することにより、ひとでの効果や安全性をチェックする臨床試験です。 臨床試験において重要となるのが、目的とする情報を得られるように適切な試験デザインを選択することです。試験デザインは、並行群間比較試験やクロスオーバー比較試験、要因試験などいくつかありますが、それぞれ特徴があり、治験の内容により適する試験は異なります。 今回はその中から、クロスオーバー比較試験を紹介します。 クロスオーバー比較試験とは クロスオーバー比較試験は、治験の目的となる薬(被験薬)と比較対象としてもちいられる薬(対象薬)を互いにずらして投与し、それぞれの結果を解析する方法です。 対象者を2つに分け、A群に被験薬、B群に対象薬を投与した後、必要な期間の休息をもうけて、今度はA群に対象薬、B群に被験薬の投与をおこないます。 すべての対象者に被験薬と対象薬が投与されるため、同一の対象者について異なる治療法を比較することができます。また、データのばらつきが少ないため、並行群間比較試験にくらべて症例数が少なくてすむこともメリットのひとつです。 デメリットとしては、クロスオーバー比較試験は長い期間での試験が必要となるため、対象者にとって負担になることや、薬を入れ替える際、前の薬の効果が残らないよう休薬期間をもうける必要があることがあげられます。 まとめ 試験が長期間に渡ることから、本試験は自然治癒するような急性期疾患には向かず、比較的症状の安定している慢性疾患にもちいるのが適切とされています。また、薬効の発現、消失が早く、治療効果が可逆的である場合に向いている試験方法です。 正確な情報を得るためには、適切な試験デザイン、統計解析を使用する必要があります。私たちが安心して治療をうけるために、今後も正確で精度の高い情報が発信されることが望まれます。   Continue Reading ->

リボミック社の加齢黄斑変性症治療薬の「RBM-007」 既存の加齢黄斑変性症治療薬「抗VEGF薬」を超えられるか

2019年1月24日に、アプタマー医薬の創薬をおこなっている「株式会社リボミック」が滲出(しんしゅつ)型加齢黄斑変性症治療薬の「RBM-007」について、アメリカでの第I/IIa相臨床試験で第1コホート(低用量群)における安全性を確認したとの発表がありました。 リボミック社は、2003年8月に東京大学医科学研究所の中村義一教授がファウンダーとなって設立された会社です。東京大学とアプタマー創薬に関する研究を目的とした共同研究契約を締結しています。 現在、アプタマー医薬品はアメリカのアルケミックス社が開発した加齢黄斑変性治療薬の「マクジェン」のみです。まだ、ほかのアプタマー医薬品は出てきていません。 リボミック社が開発している「RBM-007」はどのような医薬品なのでしょか。 [RBM-007はどんな治療薬なの] -アプタマー医薬ってなに- 最初に、アプタマー医薬からみていきましょう。聞きなれない言葉ですよね。アプタマー医薬ではRNAを利用します。 わたちたちのからだの細胞の中に存在するRNAは一本の鎖のような塩基の配列から構成されています。 RNAは、塩基の配列によってさまざま立体構造を形成します。この形成する力を使って標的となるタンパク質に結合することで、タンパク質の働きを阻害や調節するRNA分子を「アプタマー」といいます。 アプタマーは、たんぱく質の形状に応じてフィットするように立体構造を作って結合するという特徴があります。この特徴を生かして目的となる標的たんぱく質に人工的に強く結合させて医薬品として応用していくのが「アプタマー医薬」です。 リボミック社は、アメリカのアルケミックス社が開発したSELEX法(試験管内人工進化法)を利用したリボミック社独自技術「RiboARTシステム」で創薬に最適なアプタマーを作製しています。 アプタマー医薬品は、抗体医薬品と同じ分子標的薬のひとつですが抗体医薬品と作用機序が異なります。 抗体医薬品と比較すると「強い標的結合力、標的の制限が少ない、化学的な改変が容易、化学合成によって製造可能」などといった利点があります。 リボミック社が、この技術から作製したもののひとつがRBM-007です。RBM-007はいくつかの疾患をターゲットにしています。もっとも開発が進んでいるのが「加齢黄斑変性症」という眼の病気です。 -加齢黄斑変性症は失明に至る眼病です- 加齢黄斑変性症は、年齢を重ねるとともに網膜色素上皮の下に老廃物が蓄積することで網膜の中心にある直径1.5mm~2mm程度の小さな黄斑部に障害がでる病気です。 症状は、「ものの中心部が歪んで見える、中心部が黒く見える(中心暗点)、視力が低下する、色がわからなくなる」といった形で進んでいき、悪化すると失明に至ります。 加齢黄斑変性症には、網膜色素上皮が徐々に萎縮していき視力が悪化していく「萎縮型」、脈絡膜新生血という異常な血管が形成されて異常な血管から血液成分の漏出や血管が破れて網膜がはれる、液体がたまることから視力が悪化する「滲出型」の二つのタイプあります。 現在、萎縮型の治療法は残念ながらありません。滲出型は、薬物療法として比較的新しい治療薬である血管新生阻害薬(抗VEGF薬)や光線力学的療法などがあります。 この血管新生阻害薬(抗VEGF薬)のひとつがアメリカのアルケミックス社のアプタマー医薬品「マクジェン」です。 加齢黄斑変性症にみられる新生血管の成長や血液成分の漏出に関与している「血管内皮増殖因子(VEGF)」の働きを抑えて、脈絡膜新生血管を退縮させて視力の低下を抑制する治療薬です。 ※マクジェン以外に抗体医薬品の抗VEGF薬「ルセンティス」と「アイリーア」があります。作用機序はマクジェンと異なりますが薬理作用は同じです。 しかし、抗VEGF薬に「効果が得られない患者さんが相当数存在する、2~3年程度経過すると効果が低下してくる」といったケースがみられるようになりました。 これらの要因として病変による網膜の瘢痕化(線維化)が関与していると考えられています。抗VEGF薬には瘢痕化を抑制する作用はありません。 -RBM-007はどんな薬なの- RBM-007は、さまざまな生理機能を持っていて血管新生や瘢痕化などにも関与している「FGF2(線維芽細胞増殖因子2」の働きを阻害するアプタマーです。 動物試験において網膜の血管新生と瘢痕化を抑制することが証明されています。この二重作用が既存の抗VEGF薬にはない新しいメカニズムで、加齢黄斑変性症の根本治療につながる可能性があると考えられています。 リボミック社は、RBM-007の加齢黄斑変性症の臨床試験をアメリカで実施するために2017年8月にアメリカへ子会社を設立、2018年10月からアメリカにおける臨床試験第I/IIa相試験を開始しています。 臨床試験では、眼球にある硝子体に注射をおこなうために通常は健常人で行う第I相臨床試験は実施していません。少数の患者さんを対象にして第I/IIa相試験を少量から段階的に増量しながら安全性や忍容性などの確認をおこなっています。 第I/IIa相試験の第1コホートの少量投与の結果において安全性の確認がされました。現在は、投与量を増やした第2コホートにおける患者さんへの投与が行われています。第I/IIa相試験の完了予定は2019年です。 第IIb相試験は、抗VEGF薬で奏功がみられない200名規模の患者さんを対象として有効性の確認を行う予定です。2019年開始で2021年完了予定となっています。 [加齢黄斑変性症治療薬RBM-007以外のパイプラインは] リボミック社は、加齢黄斑変性症治療薬を対象にしたRBM-007以外にいくつかのパイプラインを抱えています。 これらのパイプラインは動物モデル試験中もしくは終了している段階です。いずれの動物試験でも有効性が見いだされています。 ◇RBM-007(軟骨無形成症、がん性疼痛) RBM-007は、加齢黄斑変性症以外に四肢短縮の低身長を引き起こす希少疾患である「軟骨無形成症」、進行がん患者で骨転移による強い疼痛を引き起こす「がん性疼痛」なども対象疾患にしています。 軟骨無形成症については、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の「創薬支援推進事業-希少疾病用医薬品指定前実用化支援事業」になっています。 ◇RBM-004(神経障害性疼痛) 末梢または中枢神経系の損傷や機能障害によって引き起こされる「神経障害性疼痛」が対象疾患です。NGF(神経成長因子)を阻害するアプタマーです。藤本製薬に導出しています。 ◇RBM-003(心不全) 心筋梗塞直後に、キマーゼという酵素が肥満細胞と心筋細胞等の組織損傷部位から分泌されることで心筋に悪影響を及ぼします。RBM-003はキマーゼを阻害するアプタマーです。大阪医科大学と共同研究しています。 ◇RBM-001(非開示) RBM-001は、サイトカインのひとつであるミドカインを阻害するアプタマーです。動物試験では、自己免疫性脳脊髄炎や神経芽腫の増殖に対する抑制作用が確認されています。大塚製薬に導出されていますが対象疾患は非開示です。 ◇RBM-006(肺線維症) 「特発性肺線維症(IPF)」は進行すると肺の繊維化が起こります。RBM-006は、肺線維症で亢進することがみられるオートタキシンという合成酵素を阻害するアプタマーです。 これら以外に、RBM-002(血小板減少症)、RBM-005(敗血症)、RBM-008(糖尿病性網膜症)、RBM-009(重症喘息)なども研究・開発中です。 現時点において、リボミック社はRBM-007(加齢黄斑変性症、軟骨無形成症)およびRBM-003(心不全)を重点課題としています。 また、科学技術振興機構(JST)の「イノベーション創発に資する人工知能基盤技術の創出と統合化」の公募に、早稲田大学との共同研究として「人工知能技術を用いた革新的アプタマー創薬システムの開発」が採択されています。 加齢黄斑変性症は欧米では成人の失明原因の第1位、日本でも人口の高齢化と生活の欧米化により近年著しく増加していて失明原因第4位です。将来的には日本における失明原因の第1位になるといわれています。 失明という転帰になることない加齢黄斑変性症の治療薬として上市されることが待たれるところではないでしょうか。   リボミック社について ○売上高や資産状況 総資産額29億7700万、自己資本18億4300万円2、自己資本比率61.9%。2017年12月期の売上高は6億4千万円、経常利益は▲7億5100万円、今年度の予想売上高は5億円、経常利益▲8億5700万円です。時価総額は66億3400万円です。 ※今年度の売上高減少と経常利益増加はRBM-007を積極的進めているためです。 ○ビジネスモデル リボミック社独自の創薬技術「RiboARTシステム」を活用して大学や研究機関と共同研究をおこない、創薬事業においては自社創薬もしくは製薬会社との共同研究をおこなっています。自社で臨床試験を実施してPOC(Proof Continue Reading ->

ラクオリア創薬が決算を発表 来年度の黒字を発表し、PTS市場で株価上昇

ラクオリア創薬が、2月8日に決算を発表し、来年度の黒字を発表し、PTS市場で15%程度上昇しています。   ラクオリア創薬 <4579> [JQG] が2月8日大引け後(15:30)に決算を発表。18年12月期の連結最終損益は11億円の赤字(前の期は0.5億円の赤字)に赤字幅が拡大したが、19年12月期は1.5億円の黒字に浮上する見通しとなった。   黒字に関しては、マイルストーン収入などの期ズレもあったようですが、 以前当サイトでもお伝えした、テゴプラザンに加え、統合失調症薬のジプラシドン、動物薬で非ステロイド性鎮痛剤のガリプラントなどが 収益に好影響を与えるのではないかと考えられています。   第1相試験中のため、日本でのテゴプラザンの発売はまだまだ先の話になりますが、 2017年度のタケキャブの売り上げが500億円を超えていることを考えると、 もし、市場の大きな日米欧で導出することができれば、ラクオリア創薬にとって大きなインパクトになると考えられます。   タケキャブが上市される以前は、 PPIの効かない患者さんには、他の種類のPPIを処方して様子をみてみるということが、有効な場合がありました。 今後、もし新たなP-CABが誕生すれば、 タケキャブの効かない逆流症状になやむ患者さんにとっては、朗報になるかもしれませんね。   Continue Reading ->

アムバロ配合錠「ファイザー」自主回収 発がん性物質混入か

こんにちは ひさしぶりです。ふくろうです。 気候も少しずつ穏やかになり、インフルエンザもひと段落というところですね。 今回は、ファイザー社のアムバロ回収というニュースについて話していきたいと思います。 まず、ニュースの概要をお話しすると、 米製薬大手ファイザー日本法人は2月8日に、高血圧症治療剤「アムバロ配合錠『ファイザー』」の5製品、計約76万4千錠を自主回収すると発表しました。提携するインドの工場で製造された薬の原材料に、発がんの可能性がある物質が混入していたそうです。服用すると重い健康被害が出る恐れもあるが、現時点では被害の報告はないとのことです。 以上がニュースになります。 アムバロと聞いて、医療関係者のかたはピンと来るかもしれませんが、そうでないかたはあまり馴染みがないかもしれません。 そもそもアムバロとは、高血圧でよく使われる薬で、 アムロジピンとバルサルタンという薬の合剤です。 略してアムバル、言いにくいのでアムバロとなっています。   高血圧の薬でよく使われる薬にカルシウム拮抗薬とARBという薬があるのですが、それを混ぜた薬になります。   YOUTUBEでいうとHIKAKINさんとHIKARUくんのコラボといったところでしょうか。   そのアムバロの成分のうちバルサルタンに発がんの可能性がある物質が含まれていました。 対象となる薬をファイザー社では回収していますが、 既に処方されている薬を中止すれば、高血圧の症状が悪化する恐れがあるため、ファイザー社では、かかりつけの先生と相談するようによびかけています。 心筋梗塞や脳梗塞を防ぐ目的で内服しているお薬を飲んで、がんになってしまうのでは、本末転倒ですね。 高血圧の方は、お薬手帳などですぐにご自身の薬を確認してみてください。   万が一、当該薬品が処方されていた場合には、すぐにかかりつけの先生に相談しましょう。 高血圧の合剤は複数販売されているので、薬を調節してくれると思います。 おじいちゃん、おばぁちゃんのなかには、ご自身でなんの薬をのんでいるかわかんない方もいます。ご家族・お孫さんの出番です。お薬手帳というものがありますので、一緒に確認してあげましょう。 ふくろうでした。 またね。 Continue Reading ->

サイバイオ社 期待されていたSB623の慢性期脳梗塞の臨床試験で有効性を示せず サイバイオ社の株価大暴落へ!!

1月29日に発表された「サンバイオ株式会社」のプレスリリースを受けて、サンバイオ社の株価が1月30日に前日比3000円(-25.62%)安のストップ安で8710円と大暴落を起こし大きな話題になりました。 サンバイオ社の大暴落は、ほかの医療バイオ関連会社などの急落にも繋がりました。 サイバイオ社の株価は、1月30日から3日連続のストップ安で5710円、週明けの2月4日もストップ安で3710円、2月5日は前日比1090円安の2620円となっています。 ※ストップ安:株価は異常な暴騰や暴落を防ぐために1日に変動する上下の幅を「値幅制限」が設定されています。株価が、値幅制限の上限まで上昇することをストップ高、下限まで下落することをストップ安といいます。 サンバイオ社については、「脳細胞を再生するサンバイオ社の細胞治療薬SB623 慢性期脳梗塞や外傷性脳損傷などの後遺症に新たな光になるか」と当サイトで、以前、紹介しています。 サイバイオ社のSB623は、慢性期脳梗塞や外傷性脳損傷のあらたな新薬として各方面から大きな注目を浴びていた再生細胞薬です。 今回のプレスリリースは、SB623のアメリカでの慢性期脳梗塞に関する臨床試験で「有効性を示すことができなかった」と発表されたことが株価大暴落の起爆剤になりました。 -SB623の臨床試験結果は?- SB623については、サンバイオ社のアメリカ子会社と大日本住友製薬の間でアメリカにおける開発と販売権について独占契約を結んでいます。 慢性期脳梗塞の臨床試験は、アメリカでサンバイオ社と大日本住友製薬のアメリカの子会社が共同で実施しました。 今回の臨床試験は、臨床試験フェーズ2bで慢性期脳梗塞に伴う運動障害のある患者さん163例を対象に行われました。 163例を「SB623-250万細胞投与群、SB623-500万細胞投与群、sham手術(コントロール群)」の3群にわけて、SB623の有効性と安全性を確認することが目的です。 ※sham手術:偽手術もしくはプラセボ手術のことで治療効果がないみせかけの外科的な医療行為です。今回は、SB623を投与した群とsham手術群を同じ条件下で比較することで有効性などの確認するために行われています。 投与6ヶ月後における臨床試験の結果、SB623投与群とコントロール群を「Fugl-Meyer Continue Reading ->

ウイルス学に立脚した創薬会社オンコリスバイオファーマ社 主力製品は腫瘍溶解ウイルスと腫瘍検査ウイルス

2019年1月に17日に、オンコリスバイオファーマ株式会社がアメリカのコーネル大学と「テロメラシン・抗PD-1抗体ペムブロリズマブ併用の医師主導臨床治験フェーズII」の契約を締結したとニュースが流れました。この治験は、進行性食道がんの有効性と安全性を検証するためのものです。 オンコリスバイオファーマ社は、ウイルス学(Virology)に立脚した創薬をコンセプトに「がんや重症感染症」に対する新薬の開発に力を入れている製薬会社です。 [イノベーションとファブレス経営] オンコリスバイオファーマ社は、ウイルス学の見地から「がんと重症感染症」に重点をおき、ウイルスの遺伝子改変技術を生かした新しく安全性と有効性の高い治療方法に観点を置いた創薬を目指しています。 同時に新しい検査サービスの開発にも力を入れ、これまで確立された治療法がなかった領域へのイノベーションをもたらすことをビジョンとしています。 オンコリスバイオファーマ社は、「がん及び重症感染症」などの難病について大学などの研究機関や企業から対象となる医薬品候補を導入、創薬プランを「企画、研究、開発」、製造および臨床試験をアウトソーシングして医薬品開発を行う「ファブレス経営」というビジネスモデルをとっています。 ファブレス経営の大きな特徴は、「企画、研究、開発」などに集中して投資できる、大規模な設備投資が不要、市場の変化に柔軟に対応できる、なるべく短いライフサイクルで製品化することが可能なことです。 オンコリスバイオファーマ社は、「開発途上の段階で開発および販売権を大手製薬会社へ導出、大手製薬会社が持つ開発資源や販売網を活かすことが医療にイノベーションをもたらす最短経路である」と述べています。 このようなビジョンとビジネスモデルを持っているオンコリスバイオファーマ社のパイプラインをみてみましょう。 [オンコリスバイオファーマ社のパイプラインは] ◇テロメライシン(OBP-301) Continue Reading ->

がん患者のアンメット・メディカルニーズに取り組むソレイジア社 ソレイジア社のラインアップは

がんは2人に1人がかかる時代といわれています。あなたのそばにもがんと闘っている方はいないでしょうか。がんに対しては、さまざまなアプローチから世界中で研究・開発が行われています。 このようななかから、日本及び中国を中心とするアジア諸国をターゲットに「アンメット・メディカルニーズ」に応えることを目的に設立した創薬メーカー「ソレイジア・ファーマ株式会社(以下ソレイジア社と記載)」について取り上げてみましょう。 ※アンメット・メディカルニーズとは、現在、有効な治療方法が確立されていないもしくは治療方法が限られている疾病に対しての新たな治療への必要性への期待のことを指します。 [ソレイジア社の目指すものは] ソレイジア社は、2006年12月にアメリカに医薬品開発事業の準備拠点として「JapanBridge Continue Reading ->

メドレックス社独自技術の経皮吸収型製剤 多様化する生活様式や高齢化社会に向けての取り組み

2018年12月21日に、「株式会社メドレックスが経皮吸収型製剤に関する新たな基在組成剤」について日本において特許査定を取得したというニュースが流れました。本特許はアメリカでもすでに特許査定を取得しています。 メドレックス社は、独自の技術を用いた経皮吸収型製剤に特化して研究・開発をおこなっている創薬会社です。最初に経皮吸収型製剤についてみてみましょう。 [経皮吸収型製剤は皮膚から全身へ] 医薬品の使い方には、病気や症状に応じてさまざまな種類(投与経路)があります。普段、目にすることが多いのは錠剤やカプセルなど口から飲む経口薬、シップなどの消炎鎮痛に用いる貼付剤、目薬などの点眼剤などではないでしょうか。 ほかにも、鎮痛薬などの座薬、喘息の発作止めの吸入薬、鼻づまりを抑える経鼻薬、静脈注射や筋肉注射といった注射剤などさまざま種類があります。 このなかで貼付剤には大きく2種類ものがあります。ひとつは肩こりや関節の痛みなどに用いる消炎鎮痛薬で貼った部分に局所的に作用するもの、もうひとつは薬を皮膚組織から毛細血管に移行させて全身の血流を循環することで効果を発揮する「経皮吸収型製剤」です。 経皮吸収型製剤は、多くの経口剤が体内に吸収されて肝臓を経てから全身へと送り出されますが経皮吸収型製剤は肝臓を経ることなく薬を全身へ送り届けることが可能です。 食事の影響がほとんどない、薬を長時間安定した血中濃度にすることできる、同じ成分の経口薬と比較して副作用が少ない、嚥下障害などある患者さんも使うことができる、飲み忘れが防止できるなどといったメリットが期待されています。 狭心症、更年期障害、癌性疼痛、喘息、ロキソニン消炎鎮痛薬、新しいところではアレルギー性鼻炎の経皮吸収型製剤などがあります。決して種類が多いものではなく、どのような薬でも経皮吸収型製剤にできるというものではありません。 経皮吸収型製剤を独自の技術を用いて研究・開発をおこなっているメドレックス社とはどのような会社なのでしょうか。 [メドレックス社はどんな会社なの] メドレックス社は、2002年に多様化する生活様式や高齢化社会に向けて新しい剤型(経皮吸収型製剤)の医薬品を開発することを目的に設立されました。 アメリカに、2009年10月に Continue Reading ->