米国で教育年数の延長にともない認知症の有病率が低下

  高齢になるほど認知症の人の割合は高くなり、85歳以上では約3~4人に1人が認知症であるといわれています。 厚生労働省でも今後、人口の高齢化に伴い、認知症の人は年々増加していくと予測していますが、 米国で行われたHealth and Retirement Study(HRS)の最新研究結果に基づいて考えると、今後日本でも認知症の発症率が低下する可能性があります。   Continue Reading ->

低出生体重児で生まれた子羊の成長を支えた人工子宮

    自分が生まれたときの体重を知っている人は多いと思いますが、日本では10人に1人の割合で低出生体重の赤ちゃんが生まれています。 生まれてきてくれた赤ちゃんが無事健康に育ってほしいという願いは、日本だけでなく世界中どこでも同じだと思います。 今回、アメリカで人工子宮を用いて低出生体重児の子羊を育てる研究が行われました。 Continue Reading ->

「賢い選択(Choosing Wisely®)」 米国心臓病学会が新たな提言

  「賢い選択(Choosing Wisely®)」という言葉をご存知でしょうか。 「賢い選択(Choosing Wisely®)」とは、2011年にアメリカで始まった不要で無駄であるばかりでなく、有害でさえありえるような治療介入を一覧にするアメリカの米国内科認定機構(ABIM)財団によるキャンペーンです。 ABIM財団はアメリカの各学会に対して、過剰診療を行わないための推奨事項を5項目あげるよう依頼しています。 必要な検査をおこない  効率の良い医療を 2017年2月28日、米国心臓病学会は死亡および心筋梗塞のリスクが低く症状のない患者さんが心臓以外の手術を受ける際は、手術前のルーチンな心電図検査を勧めないと発表しました。 2014年の米国心臓病学会/米国心臓病協会ガイドラインでは、低リスク手術における手術前後の死亡または心臓・血管イベントのリスクは1%未満としています。 必要のない検査は、過剰な受診、手術の延期、変更につながり検査による恩恵を相殺しかねないと考えています。 また、大きな持病のない人が、リスクの低い手術を受ける際には心電図検査を受けなくてすむため、医療費の削減が見込めます。 「賢い選択(Choosing Continue Reading ->

2017年3月日本で新たにAD/HDの治療薬が販売・承認  

  2017年3月新たに、小児期における注意欠陥/多動性障害(AD/HD)の治療薬「インチュニブ」が承認されました。 米国欧州諸国など世界33か国において、すでに承認されている薬であり、AD/HDの症状改善がみられています。 AD/HDはさまざまな要素がかみあっている AD/HDでは、不注意・多動性・衝動性の3つの症状がみられます。 人によって3つの症状の出方は異なり、年齢によっても症状が変化すると言われています。 小学校に入るまでにAD/HD症状が出る子供が多い傾向にありますが、大人になってAD/HDと診断されるケースもあります。 AD/HDは遺伝的な要素、環境的な要素が絡み合っていると考えられています。 現在もAD/HDの原因は、はっきりとわかっていない AD/HDの詳しい原因は解明されていませんが、脳の前頭野部分の異常が原因とする説が有力視されています。前頭野は物事の整理整頓や論理的な考えをつかさどる部分です。 前頭野が働くためには、神経伝達物質(ドーパミン、ノルアドレナリン)が伝達されなければいけませんが、AD/HDの場合、シグナル伝達が減弱して、前頭葉の働きが弱くなっていると考えられています。 また、シグナルを受ける側にあるα2アドレナリン受容体の活性化レベルが低いことも関係していると言われています。 新しく発売されるインチュニブはα2受容体に働く 従来の治療薬は、ドーパミン、ノルアドレナリンの働きを強め、前頭葉の興奮を促す薬でしたが、今回発売されたインチュニブはシグナルを受ける側に存在するα2アドレナリン受容体に働く薬です。 インチュニブがどのようにAD/HD症状を改善するのかは未だ不明なところもありますが、α2アドレナリン受容体を刺激することで弱くなっているシグナル伝達を活性化するのではと考えられています。 臨床試験ではプラセボ投与群に比べ、多動性・衝動性・不注意いずれにも改善がみられました。 インチュニブの用量・効能・副作用  インチュニブは1日1回服用するお薬です。6歳から18歳未満のAD/HD患者が適応となります。薬効成分がゆっくりと放出されるため、1回の服用で効き目が1日中続きます。 もともと、高血圧の治療薬として開発された経緯があることから、低血圧や徐脈が起こる可能性があり、注意が必要です。 また、約半数の人に眠気や1割程度の割合で頭痛がでてくることが報告されています。もし、服用していてこれらの症状がひどい場合には医師、薬剤師に相談しましょう。 Continue Reading ->

欧州版地域医療連携システム “REWIRE” 遠隔リハビリを構築

  イギリスがEU離脱するかもしれないというニュースが出ている昨今、ヨーロッパ諸国で新たなリハビリの取り組みが始まっています。 「REWIRE」直訳すると再配線という意味です。再構築の方がいいかもしれません。 Continue Reading ->

世界初、眼の中に注射できるハイドロゲルの開発

  日常的にコンタクトレンズを使っている人は多いと思いますが、コンタクトレンズの素材は何か知っているでしょうか。 水分を多く含んでいて、眼に入れても違和感のないように作られているハイドロゲルという素材です。 今回、高性能なハイドロゲルが開発され、眼の手術に新たな可能性が開かれそうです。 Continue Reading ->

2017年新たにシャンプー型のステロイド製剤の発売開始

  2017年3月に新たに、尋常性乾癬の治療薬「コムクロ®シャンプー」が承認されました。今までには無かったシャンプータイプのお薬で、頭部の尋常性乾癬が適応症となります。 尋常性乾癬とは 病態と従来の治療薬 尋常性乾癬は、銀白色の皮膚の粉を伴った紅斑が発現します。こすれやすい肘や膝、頭部、腰周りなどに出やすい疾患です。 感染症ではないので、人にうつることはありません。命に関わることは稀ですが、周囲の人々からの視線が気になり生活の質が落ちてしまう患者さんは少なくありません。 尋常性乾癬の治療には通常、ステロイドやビタミンD3製剤が含まれた塗り薬から開始します。年々治療法が確立されて、治療の効果がみられる患者さんが増えてきてはいるものの、 頭部に症状のある患者さんの満足度は低いという報告もあります。 シャンプー型ステロイド 使い方と副作用     そこで開発されたのが、コムクロ®シャンプー(クロベタゾールプロピオン酸エステルシャンプー)です。本剤はステロイドを含む日本で初めてのシャンプータイプの薬剤です。 1日1回、本剤を症状の出ている所を中心に塗布し、15分後に泡立てて洗い流します。目や目の周囲に薬剤が付着した時には、眼障害が出る危険性がありますので、しっかりと洗い流すようにしてください。 副作用を防ぐためにも、使用後は手をしっかりと洗うこと、塗布しているときに頭部を覆わないことも注意が必要です。 コムクロ®シャンプーの効能と今後への期待 尋常性乾癬は皮膚が尋常でない速さで作られることにより症状がでてきます。また、炎症を引き起こす物質が放出されているため炎症反応が問題となってきます。 ステロイド薬はこの炎症物質の働きを抑えて、炎症を抑制する効果を発揮します。実際、コムクロ®シャンプーの臨床試験では患者の約3割に改善がみられたとの報告があります。 シャンプータイプのステロイド薬の誕生により、より多くの患者の症状改善が期待されています。適切に使用し、症状の改善を目指しましょう。   Continue Reading ->

脊髄損傷患者さんに向けたVRを用いた最新リハビリ

VR(Virtual Reality)という言葉は2016年に発売された家庭用ゲーム機PLAY STATION VRでもおなじみですね。 こういったVRを医療に役立てようという動きが出てきています。 イスラエルの企業VRPhysioがリハビリを支援するVRシステムを開発し、スポーツや交通事故による頚椎・脊椎の損傷からの回復をサポートするコンテンツを提供しています。 脊髄損傷した患者さんのリハビリは困難が多い 頚椎・腰椎損傷についてお話をします。 頚椎損傷・腰椎損傷などのいわゆる「脊髄損傷」は一度損傷してしまうと再生することができず 現在においても完全な治療法は確立していません。 脊髄損傷患者のリハビリでは回復が見込めない事実を受け入れられず悩み苦しみ、時に辛いリハビリをおこなわなければなりません。 脊髄損傷のリハビリは完全麻痺であれば残存機能を用いた動作訓練、不全麻痺であれば筋力増強・関節可動域訓練など行い随意性(自分自身で体を動かす)の向上を図ります。 脊損患者のリハビリは施設にもよるでしょうが1〜2時間は要すると思います。 毎日ストイックにリハビリを行うという事は患者に対してもセラピストに対しても非常に負担が大きくなります。そこでVRを用いた技術の登場となります。 脊髄患者さん向けのVRリハビリテーション   https://youtu.be/WQckV7JWGyQ   VRPhysioが開発したシステムでは患者はヘッドセットディスプレイを装着します。 そしてゲームを選びその指示に基づいてモーションコントローラーなどを動かしてます。患者にとってはゲーム感覚で面白いという事です。 一方でセラピストはその動きや進行状況をPCやタブレット端末などで確認することができ客観的な評価につながります。 客観的評価は数値として現れ、動画も撮れれば患者に対してもわかりやすく改善が見られればモチベーションの向上にも繋がるだろうと推測できます。 今後幅広い疾患への応用が期待される 本商品は、脊損患者だけでなく脳血管疾患患者やパーキンソン病などの神経疾患、大腿骨骨折などの運動器疾患、認知症患者など 幅広い活用ができると考えられます。しっかり検証して科学的な根拠を得られれば非常に有用な機器として普及していくと思います。 参照:UPLOAD(原文英語) Continue Reading ->