アルコール依存症の4つの特徴<後編>

[アルコール依存症の特徴は] <前編>ではアルコール依存症へのプロセスをみてきました。後編では自分や家族がアルコール依存症かどうかについてのテストからみてみましょう。 このテストは「CAEGテスト」といわれ、質問のキーワードとなる頭文字を取ったものです。 1.飲酒量を減らさなければいけないと思ったことがありますか(Cut down) 2.ほかの人にあなたの飲酒を批判されて腹がたつ、いらだつことがありますか(Annoyed Continue Reading ->

アルコール依存症への道のり<前編>

[アルコール依存症は病気です] アルコール依存症は少し前までは「アルコール中毒」や「アル中」といわれていました。あまり良くないイメージがあるのではないでしょうか。 アルコール依存症は長い間にわたって、習慣的にお酒の飲みすぎを続けていると知らぬ間に進行していく、誰でもなってしまう可能性が病気です。いったんアルコール依存症になると完全に治癒することはありません。 アルコール依存症は意志が弱いからお酒がやめられないといったものではありません。アルコール依存が進行することで自分の意志には関係なくお酒がやめられなくなってしまうのです。 どのようにアルコール依存症になってしまうのでしょうか。 [アルコール依存症へのプロセス] 1.機会飲酒 大学生や社会人になると歓迎会、忘年会、新年会やお正月やクリスマスといった季節のイベント、先輩に誘われる、同僚や友人と飲むといった飲酒をするといった機会が多くなります。これを機会飲酒といいます。 2.習慣飲酒 夕食のときに飲む、ストレス発散するために飲む、酔い心地がから飲むなどから毎日のように習慣的に飲酒を続けてしまう状態になってしまうことです。この段階はアルコール依存症ではありませんが、アルコール依存症への入り口です。 3.耐性が形成される 習慣的にお酒を飲むことを続けていることで、以前と同じ量を摂取しても酔わなくなります。よくいう「お酒に強くなった」状態です。アルコールに対する耐性が形成されてお酒を飲む量が増えていきます。 4.ブラックアウト 深酒してしまった翌日にお酒を飲んでいた時のことが思い出せないことがあります。「記憶が飛んでしまう」ことです。これをブラックアウトといいます。 5.精神的依存 お酒がないと物足りない、お酒がないと気分が落ち着かないといった状態になります。アルコールへの依存性ができてしまった状態です。この状態が進むとお酒ばかりに気が取られるようになっていきます。 6.身体的依存 お酒を飲むことが常態化するとお酒を断ったときに発汗、ふるえ、微熱、悪寒などの離脱症状が起こします。精神的にもおちつかない、イライラするなどの症状がでてきます。 お酒が原因で病気、遅刻、欠勤、不注意、判断ミス、飲酒運転などの問題もおきるようなり、性格が攻撃的になり暴力をふるうこともあります。自分の意志だけで、お酒を断つことはたいへん難しいです。 さらに、進むと離脱症状から逃れるためにむかい酒や隠れて飲む、幻聴や幻覚といった離脱症状もでてきます。四六時中、お酒を飲まずにいられない連続飲酒発作となって仕事もままならず、外出ができないなど完全な依存症状態になっていきます。重篤なアルコール依存症の状態です。 お酒の過剰な摂取は身体的や精神にも多種多様の病気を引き起こします。命に関わる病気とも無縁ではありません。それでもお酒を求めてしまうのがアルコール依存症の怖さです。WHOはお酒が60種類を超える病気の原因であり、200種類以上の病気に関連していると指摘しています。 アルコール依存症の特徴をあらわすスクリーニング・テストがあります。<後編>ではこのテストからみていきます。 Continue Reading ->

2型糖尿病治療薬の新たな合剤 カナリア配合錠

慢性疾患の薬物治療は長期にわたり、また、薬が数種類におよぶこともあることから、服薬アドヒアランスの低下が問題となっています。 2型糖尿病も慢性疾患のひとつであり、アドヒアランス向上のために、配合剤とすることで1回に服用する錠数を減らすなどの製剤的な工夫がされています。 写真はイメージです。 photo by photoAC 2型糖尿病の薬物治療 2型糖尿病は、年々患者数が増加しており、現在では316万人以上の方が継続的な治療を受けていると推定されています。 2型糖尿病の治療では、まず食事療法、運動療法が行われますが、それらを行っても改善がみられない場合には、薬物療法を追加して、良好な血糖コントロールを目指します。 薬物療法は、患者さんの病態に合った薬を単剤で少量から開始していきます。 インスリンの分泌能が低下している患者さんには、分泌促進作用をもつスルホニル尿素(SU)薬やジペプチジルペプチターゼ4(DPP-4)阻害薬が選択され、インスリンの抵抗性が増大している方には、インスリン抵抗性を改善する作用のあるビグアナイド系薬やチアゾリジン薬が用いられます。とくに食後高血糖がみられる場合には、α-グルコシダーゼ阻害薬(α‐GI)や即効型インスリン分泌促進薬の使用も考慮されます。 しかし、なかには、単剤投与では十分な効果が得られない、または次第に血糖コントロールが不良となっていく患者さんもおり、その場合には、増量や薬の変更、異なる作用機序の薬を併用することが推奨されています。 2型糖尿病治療薬の配合剤 2型糖尿病の治療は長期にわたり、進行すると錠数や薬の種類が増えていくことから、飲み間違いや飲み忘れなどが起こりやすくなります。そこで、その問題を改善すべく用いられているのが、作用機序の異なる2種類の成分を1錠に合わせた配合剤です。 写真はイメージです。 Continue Reading ->

バリシチニブ アトピー性皮膚炎への有効性

現在、4カ月~6歳の子どもの12%前後、20~30歳代では9%前後の頻度でアトピー性皮膚炎がみとめられると報告されています。 アトピー性皮膚炎は、痒みや湿疹をともない、QOLの低下を起こす原因ともなります。また、既存の薬だけでは、症状の抑えられない患者さんもおり、さらに治療の選択肢が増えていくことが望まれています。 写真はイメージです。 Continue Reading ->

「先発医薬品」と「ジェネリック医薬品」って?なぜ「ジェネリック」を勧めるの?

風邪を引いてしまったとき、花粉症の時期、ニキビができてしまったとき、、、などなど、人それぞれ病院やクリニックにかかる理由は違いますが、投薬治療が選択された場合に「処方せん」をもらって調剤薬局に行き、薬をもらうという点は共通します。 その調剤薬局でよく言われるのが「ジェネリックでご用意しましょうか?」というひとこと。「ジェネリックってなに?」と聞くのは多少の勇気がいる、、そんな方のためにこの記事では「ジェネリック医薬品」と、勧められる理由について解説します。  写真はイメージです。 Continue Reading ->

オープンダイアローグ<開かれた対話> 注目される新しい精神医療

[オープンダイアローグってなに] フィンランドの精神医療の治療法である「オープンダイアローグ」が、昨今、日本で注目されています。 オープンダイアローグはフィンランド全土においてのスタンダードな方法ということでなく、フィンランド北部にある西ラップランド地方のケロプダス病院で取り組まれているものです。家族療法を専門とする臨床心理士として知られているユバスキュラ大学教授のヤーコ・セイックラ氏が中心となって取り組んでいます。 1980年代前半から取り組みがはじまり、おもに統合失調症の急性期の患者を対象にした精神療法です。 オープンダイアローグでの治療方法の効果を見てみましょう。統合失調症の患者の入院日数は19日間短縮しています。薬物を含む通常の治療を受けた統合失調症患者群との比較をすると、オープンダイアローグで服薬を必要とした患者は全体の35%、2年間の予後調査で82%は症状の再発がないか、ごく軽微なもので(対照群では50%)、再発率は24%(対照群では71%)に押さえられたと発表されています。 オープンダイアローグをそのまま訳すと「開かれた対話」。ダイアローグの対語は「モノローグ」で独り言という意味です。統合失調症の特徴的な症状の一つがモノローグです。これは、ほかの精神疾患でも少なからずみられる症状です。独り言は一人で話しているので答えが返ってきませんよね。 モノローグに誰かが答えるのがダイアローグです。モノローグによって患者の中だけでどんどん高まる気持ちを、ダイアローグで解きほぐしていくということになります。つまり、モノローグから抜けださせるのがダイアローグということです。 具体的にオープンダイアローグの治療方法を見ていきましょう [オープンダイアローグの治療法方法は] オープンダイアローグは、「医者対患者」といった「1対1」という治療方法ではありません。必ず、治療チームを組んで行います。ケロプダス病院では365日24時間対応で、スタッフは医師、臨床心理士、看護師、セラピストなどです。 相談の電話を受けた場合、電話を受けた人が責任者となりチーム編成を行います。電話を受けたのが看護婦であっても医師の指示仰ぐという上下関係はなく、フラットな体制がとられています。電話を受けた責任者が治療地チームを編成して、電話を受けてから24時間以内に最初のミーティングが開かれます。 ミーティングの場所は、多くの場合には患者のホームグランドある自宅です。参加者は医師、看護師、臨床心理士などの医療チーム、患者本人、患者の家族、親戚、患者に関わりキーパーソンになる人たちです。次回以降のミーティングは、原則として、常に同じメンバーで行なわれます。 一般的なミーティングでは議長もしくは進行役が存在しますが、オープンダイアローグでは存在しません。また、対話のテーマというものも存在しません。参加者全員が、フラットな関係を保ちます。参加者は車座になって座り、同じように発言し、話に耳を傾けます。 医師と患者は「治療する側-治療される側」という非対称な関係ではなく、病気の寛解に向けて共に対話を通して歩んでいくことを目指します。こうした医師と患者の対称性がこの治療の最大の特徴です。 相手への問いかけも「YES・NO」以上に語ることができるような質問から対話を始めます。どのような発言にも耳を傾け、とくに、治療チームは患者やほかのメンバーの発言のすべてに応答をしなくてはなりません。 たとえば、患者が妄想を語りだした場合には、その事について質問、対話を重ねていきます。語られる妄想について否定する、発言をさえぎることは行いません。 オープンダイアローグという対話が目指すのは精神病的な発話、幻聴、幻覚にとどまっている特異な体験を共有可能な言語でいいあらわすことができるように表現していくことです。 そのために合意や結論出すことはありません。合意や結論がでてもあくまでも副産物の一つと考えらます。対話という行動を通じてメンバー同士が繋がること、接点を持つこと、理解しあうこと、信頼を熟成することが重要とされています。 大きな特徴としてあげられるのが、患者本人抜きではいかなる決定や方針も出さないという点にあります。つまり、投薬、入院、そして治療に関する決定はすべて本人がいる対話の場で決められます。 今後の治療の進め方についても、治療チームの専門家同士の意見交換は患者本人や家族も聞いているオープンな場で行ないます。すべてを聞いてもらうというやり方で「リフレクティング」といわれる手法です。対話のさなかに、突然、専門家同士が向きを変えて話し合うことは患者の信頼にもつながります。 オープンダイアローグは、患者の危機的状況が解消するまで毎日のように行われます。期間として10~14日間にわたって行ないます。 アメリカで心理療法士をした経験もあるダニエル・マックラー監督がオープンダイローグに携わる医療スタッフを取材した映画「オープンダイアローグ フィンランドにおける精神病治療への代替アプローチの Continue Reading ->

ソタグリフロジン 1型糖尿病への有効性

1型糖尿病は、世界中で患者数の増加傾向が報告されており、年間で約8万人の子どもが新たに発症していると推定されています。長期にわたるインスリン療法による厳重な治療が必要となり、患者さんやその家族への負担は大きいものとなっています。 1型糖尿病とその治療とは? 1型糖尿病は、自身の免疫が、膵臓のβ細胞を破壊してしまうことで、体内でインスリンを作り出すことができなくなる疾患です。血糖を下げる働きをするインスリンがつくられなくなることにより、血糖値が高い状態が続き、QOLの低下や命を脅かすさまざまな合併症を引き起こします。 写真はイメージです。 Continue Reading ->

歯の再植と移植

歯を抜かなければいけないと言われても、できれば抜かずに残したいと思われる方が多くいらっしゃいます。 「歯を抜かなければいけない」と言われたその歯、本当に抜かなければいけない歯なのでしょうか。何が原因で抜歯することになったのでしょうか。 写真はイメージです。 photo by photoAC 歯を抜く基準は歯科医院によってばらつきがあります。 虫歯が歯肉の下まで進んで残せない、歯に亀裂が入っている、破折していて残せないなど、抜歯の原因は色々なことが考えられます。 しかし、それでも再植という方法を使い、抜かずに少しでも長く自分の歯を使うことができることがあります。   再植とは、一度抜いた歯を元の場所に戻すことです。 事故や怪我で歯が脱臼し抜けかかった、もしくは完全に抜けた場合も、歯根膜という膜が残り歯の状態が問題なければそのまま元に戻すことができます。 このように一度抜けても再び歯はくっつくことができるのです。 写真はイメージです。 Continue Reading ->

素敵な香りで体調がくずれる?化学物質過敏症の症状と対処

皆さんは、化学物質過敏症(Chemical Sensitivity) という病気をご存知でしょうか。耳慣れない方もも多い現状ですが、全国の発症者数は100万人を超えるともいわれています。 化学物質過敏症とは、さまざまな種類の化学物質に反応し、吐き気やめまい、呼吸困難などを発症、通常の生活に大きな支障をあたえる深刻な環境病です。 写真はイメージです。 photo by photoAC 日常にあふれる化学物質 化学物質といえば、医療や美容、薬品に関連性が強いイメージがあります。確かに職業柄、化学物質に触れる機会も多く発症件数も増えてはいますが、近年では普段の生活を送っている方が発症するケースが目立っています。  通学する学生や家事に勤しむ主婦の方が発症することは、それだけ目に見えない化学物質が、日常の中にあふれていることを示唆しています。 それでは、普段の暮らしの中にある化学物質にはどのようなものがあるか見ていきましょう。 「シックハウス症候群」と呼ばれる、室内環境汚染。新築や改修時に用いられる建材、塗料から放出されるホルムアルデヒドや揮発性有機化合物が原因です。 室内外で使われる殺虫剤や防虫剤、公園やゴルフ場に散布される農薬、通勤・通学時の排ガスも、過敏な反応を起こす要因となります。 より身近にある化学物質 なに気ない生活の中で、より身近なシーンにも発症の原因が隠されています。香水や整髪料、家事や洗濯に用いられる洗剤や柔軟剤、シャンプーやリンスなどのボディーケア用品類などです。 写真はイメージです。 Continue Reading ->

妊婦さんは猫に触っちゃいけないの!?〜先天性トキソプラズマ症について〜

前回オウム病が妊婦に感染し死亡した事例があることをご紹介しましたが、今回は妊娠している女性に感染することで胎児に影響を与える可能性のある人獣共通感染症をご紹介します。 その名はトキソプラズマ症。この病気は成人にも感染するのですが、妊婦に感染した場合胎児の流産や脳性麻痺など重篤な症状を起こすことが知られていて、妊婦さんは是非知っておきたい病気です。 写真はイメージです。 Continue Reading ->